目次
序章 ホームレス状態からの「脱却」と支援
第1章 ホームレス問題と政策的対応
第2章 ホームレス状態を「脱却」した人々の生活状況と人間関係
第3章 ホームレス状態を「脱却」した人々の多様性
第4章 「場」による「脱却」の段階の進化
終章 総括―「場」の保障に向けて
巻末資料 「場」を利用するホームレス状態を「脱却」した人々の事例
著者等紹介
後藤広史[ゴトウヒロシ]
1980年、神奈川県生まれ。2009年、東洋大学大学院社会学研究科社会福祉学専攻博士後期課程単位取得退学。2009年、東洋大学社会学部社会福祉学科助教。2013年日本大学文理学部社会福祉学科助教。博士(社会福祉学)/社会福祉士。2003年、NPO法人(現認定NPO法人)「山友会」非常勤ソーシャルワーカー、2008年より同会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かー
1
著者が行っている場の提供に至るまでのホームレスに関する調査は、専門書ながらも読み応えある内容だった。衣食住だけ満たされれば、ホームレスがなくなるわけではない。人との繋がりや居場所を心の底で望んでいる。その仕組みを作ることの大切さを学べた。2022/03/24
ひつまぶし
1
本書のホームレス状態からの「脱却」とは、①居住、就労や社会制度による収入の確保とフォーマルな社会の構成員としての資格の回復、②日常生活における親密な人間関係の形成、③自尊感情の回復の三点。これらは段階的に達成されるとしている。この発想は生活保護という制度ありきのものだし、ホームレス状態を「脱却」した望ましい生活像は「ある水準を上回ったうえでのなるべく豊かな暮らし」くらいのぼんやりしたイメージ。これは「最大多数の最大幸福」をどこまでも目指す功利主義的な価値判断を自明の前提としてしまっているためだと思われる。2021/07/13