目次
総説 ソーシャル・キャピタル論の射程
1 宗教研究とソーシャル・キャピタル(ソーシャル・キャピタルと宗教;現代日本における伝統仏教と社会活動への参加―全国調査データの計量分析)
2 宗教による社会貢献の諸相(賀川豊彦の孤独と協同組合―自然・宗教から社会関係資本へ;軍事組織における宗教と聖職者;中国政府の宗教政策と「公益」活動―チベット系仏学院の震災救援活動を通じて)
3 アジアの諸宗教がつくるソーシャル・キャピタル(中国と東南アジアの華人社会―民間信仰と結びついた慈善団体「善堂」;イスラームとソーシャル・キャピタル;ヒンドゥー教と福祉;「開発」のなかの仏教僧侶と社会活動―タイ東北地方スリン県の「開発僧」ナーン比丘の事例研究)
著者等紹介
櫻井義秀[サクライヨシヒデ]
北海道大学大学院文学研究科教授。博士(文学)
濱田陽[ハマダヨウ]
帝京大学文学部准教授。博士(人間・環境学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
9
リアルな共同体からは疎外(排除)されても、ヴァーチャルなSNSでは包摂された僕(苦笑)。概念整理の24頁~は重要。J.コールマンは、人間関係や信頼、集団に蓄積されるソーシャル・キャピタル(SC)を提起。悲劇なのは、義務教育の子供が先生を選べないのと同様、共同体での隣人を選べないことかな。だから、相手は変えられないという大きな制約がある。自分が変わって、相手も変わればいいのがだ、どちらも難しいのが人間。櫻井教授は、問題状況、社会過程で創出され、維持・変容を遂げる資本もあることの認識が重要とされる(54頁)。2014/02/09
Sanchai
2
飛ばし読みした。ソーシャルキャピタルの復習ができたことはありがたかったが、もう少しアジアのイスラム教徒について言及があることを期待していたので、分量の割には物足りなさも感じた。2013/03/05