内容説明
子どもの発達・非行・虐待相談で、相談対象者が「来てよかった」と思える面接を行なうにはどうすればよいか。児童福祉の現場で家族支援に長年携わってきた著者たちが、豊富な事例を元にそのヒントをわかりやすく解説する。
目次
1 面接の基本(ジョイニングに始まりジョイニングに終わる)
2 目的に応じた面接(仕掛ける面接1―「変化への抵抗」を超える実践例;仕掛ける面接2―子どものそだちの安全を保障するために;さぐる面接1―バリエーションに富んだ臨機応変な面接をめざして;さぐる面接2―親に信頼され納得してもらえる発達相談;引き出す面接―相手にどうするかを考えてもらう;支える面接―相手にどうするかを考えてもらえそうにない場合;物語を紡ぐ面接―子育ち・親育ち、家庭の生育歴をふりかえる)
付録 併行する2視点による対人援助面接
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろか
4
児童福祉領域の人なら知らない人はいないであろう方々の本。認知行動療法隆盛のいまだからこそ、見直されるべきだし、著者らからは、穏やかながらも、現状への怒りも感じるのは私だけか。2012/12/15
スミレ雲
2
毎日のように、面接してるのに、初対面の方には、いつも緊張してしまいます。そんなところを少しでも解消しようと思い、購入して読んでみました。2013/10/01
saiikitogohu
1
「自分が正しい、と主張してくる人の場合、主張してくれるからこそ、その人の考えが伝わってくるわけです。そのおかげで面接の次の流れを組み立てることができるのだと思えたとしたら、『あなたの思いを正直に教えてもらえて助かります』という返し方もあるでしょう」「嫌々面接にきた人は…『嫌なのが当然なのに、それでもきちんと来てくれた人』かもしれません」「このように…少しでもプラス方向のストーリーを作るには練習が必要です」(44) モチベが低い相手と面接するときに、とても参考になる視点。否定からプラスを抽出するスキル。2017/12/02
どきんちゃん
1
その人が何を思ってるのか、どう感じたのか、どうしたいのか、今までどうやってきたのか、なにその人に興味を持って教えてもらいたい。ジョイニングに始まり、ジョイニングに終わる。時々、変化球も入れるし、絶対に譲ってはいけないラインは下げないように。 私達は問題や課題を見つけるのは得意だけど、ストレングスを見つけるのは苦手。その人の思いを探るにも、ストレングスを見つけていきたい。 決めつけたストーリーに押し込めようとしていた自分に気づいた。勉強になりました。2016/05/08
ぽねろす
0
役立つ「コツ」について言及しながらも、小難しい理論の話は出てこない(実際にはネラティヴアプローチやブリーフセラピーなどの理論を土台にしていると思われるが、それらが平易な言葉で自然に説明されている)ので、心理臨床のバックグラウンドを持たない人にも勧めやすいと思う。2017/07/06