目次
1 マリアナ諸島の地理と歴史(火山活動でできた亜熱帯の島々―マリアナ諸島の自然と社会;欧米諸国に分断された島々の運命―アメリカとの関係に苦悩する先住民の復権 ほか)
2 グアム・サイパンの成り立ちと戦史(プンタンとフウナの物語―よみがえるグアムの創世物語;マリアナ諸島は「発見」されたのか?―「マゼラン上陸」を問い直すディスカバリーデー ほか)
3 文化(勇者ガダオ、祖霊タオタオモナ―人びとの心に生きる物語;海と生きる―よみがえるカヌー文化 ほか)
4 政治経済と観光(変わる「本土」との関係とチャモロ・ナショナリズムの展開―多文化社会における脱植民地化;チャモロの英雄エンジェル・サントス―息づく先住民運動のスピリッツ ほか)
5 社会と教育(資源保護と文化保持のはざまで―漁撈権と伝統漁法の復活を願う;フィエスタで確かめる助け合いの精神―互助の仕組みを秘めたチャモロの行事 ほか)
著者等紹介
中山京子[ナカヤマキョウコ]
博士(学術)。帝京大学教育学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
11
グアムはマゼランに発見され、スペイン領となり、日本・アメリカと支配され現在に至る。原住民は紀元前1500年頃から住むチャモロ族。太平洋戦争の最大の激戦地の一つでB29がここから東京大空襲を行い、原爆を乗せて日本へ飛び立った。フィリピンプレートと太平洋プレートの境界のマリファナ海溝から火山が島になっている地形で、その深さから米軍の潜水艦の重要基地があり、空軍基地も北部の石灰岩の台地の上にある。地形も文化も歴史も日本と馴染みが深いが、太平洋戦争で犠牲となった現地人に対し、日本政府は謝罪も補償も一切していない。2018/04/10
maaaaay22
2
これもサイパンへの旅行前に。リゾート地ではなく、現地から見たサイパンを描きます、というまえがき通り、知らないことのオンパレードでとても興味深く読んだ。グアムの話が多かったなかで、横井庄一さんが現地ではキャラクター化されているというのにびっくりした。横井さんはフィリピンに潜伏した小野田さんと違い、現地の人を殺さなかったと読んだけど、それはあくまでたまたまそうであったということらしい。もし現地で犯罪をおかしていたら、横井さんの捉えられ方も変わったはず。なんだか不思議な気がした。2024/09/18
竜王五代の人
2
日本の南の隣国・マリアナ諸島の北マリアナとグアムという、経緯は違えど現在はともにアメリカ合衆国の保護下にある二つの地域についての本。せいぜい淡路島ぐらいの大きさしかなく、農工業にはめぼしいものはない。地理的位置から軍事的・観光的には重要なものの国土の小ささからくる国力のなさから大国に翻弄されて、ということで沖縄と重なるものがある(戦争被害的にも)。ある島の人間をほかにそっくり移す、などと簡単に出てくるところが小島の悲哀。その中で再生されるチャモロ文化。2021/07/19
yorikuma
2
グアムに旅行に行くので勉強がてら読んでみました。グアムにこんな深い歴史があるなんて知りませんでした。行く前に読んでよかったです。2013/04/06
こひた
2
グアムいった時は残留日本兵に対する自分の意見を言えるようにしておかないとがっかりされるらしい。石造りの遺産や洞窟画を見てみたい。ビートルナッツの味が気になる。2012/09/17