タイム・バインド(時間の板挟み状態) 働く母親のワークライフバランス―仕事・家庭・子どもをめぐる真実

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  • サイズ B6判/ページ数 442p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750335544
  • NDC分類 366.38
  • Cコード C0036

目次

第1部 時間について―家族の時間がもっとあれば(「バイバイ」用の窓;管理される価値観と長い日々;頭の中の亡霊;家族の価値と逆転した世界)
第2部 役員室から工場まで―犠牲にされる子どもとの時間(職場で与えられるもの;母親という管理職;「私の友達はみんな仕事中毒」―短時間勤務のプロであること;「まだ結婚しています」―安全弁としての仕事;「見逃したドラマを全部見ていた」―時間文化の男性パイオニアたち;もし、ボスがノーと言ったら?;「大きくなったら良きシングルマザーになってほしい」;超拡大家族;超過勤務を好む人々)
第3部 示唆と代替案―新たな暮らしをイメージすること(第三のシフト;時間の板挟み状態を回避する;時間をつくる)

著者等紹介

ホックシールド,アーリー・ラッセル[ホックシールド,アーリーラッセル][Hochschild,Arlie Russell]
カリフォルニア大学バークレー校社会学部教授。専門は社会学。「感情労働」を概念化した『管理される心』(石川准・室伏亜希訳 世界思想社 1983=2000年)のほか、家族やケア労働者のグローバル化についての研究も知られている

坂口緑[サカグチミドリ]
明治学院大学社会学部准教授。専門は社会学、生涯学習論。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。8歳男子の母親。都市におけるコミュニティ形成と生涯学習との関係について研究している

中野聡子[ナカノサトコ]
明治学院大学経済学部教授。専門は経済学史、経済思想史。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了、博士(経済学)。12歳男子の母親。現代経済学の観点から経済学の歴史、思想史を研究している

両角道代[モロズミミチヨ]
明治学院大学法学部教授。専門は労働法。東京大学法学部卒業。8歳男子と3歳女子の母親。北欧、特にスウェーデンの労働法や社会政策に関心を持って研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ロピケ

5
読後のイメージは、家庭から職場へ吸い出される両親と留守番の子供の姿。家庭内労働(家事・育児・介護)の時間はお金には結びつかず、お金で評価される仕事に大人は価値を見出すし、面倒事の待つ家庭より職場に身を置く方がリラックスできるという現実。我が子を「ママの息子」と表する無責任な男性の意識を変えるには、相当のパワーがいる。母性を期待される女性は、特に育児においては男性よりも不公平に責任を負わされている感覚を持たざるを得ない。そこで、女性も男性同様長時間労働に走ってしまうという状況は、日本でも十分あり得るだろう。2013/03/11

さとう

1
良書。2025/03/12

ふみ

1
なぜ「ファミリーフレンドリー企業」の働く親たちは、自分たちに認められた権利=短時間労働、フレックス勤務制など・・を使いたがらないのか?筆者がアメリカ企業の様々な部署の様々な階層で働く親たちにヒアリングを繰り返す中で見えてきたもの。現代の企業は個人の仕事の裁量が大きくやるだけ評価される居心地の良い場所になったのと対照的に、家庭の仕事はますます融通の利かない分刻みで管理するものとなった上、子どものケアをするために第3の仕事=感情労働が発生する、面倒な場所に変わっていった様子が鮮やかに描かれている。2013/07/22

Mana

1
ファミリー・フレンドリーシップを導入しているアメルコで働く様々な社員の家庭と会社との両立の実態を調査した本。専門職・事務職・工場勤務など様々な部署の家庭が出てくるが、みんなそれぞれに問題を抱えている。また、会社の制度だけでなくそもそも社員自身が家庭よりも職場にいることを望んでいるため問題が複雑になってしまっている。女性の仕事とされる家事・育児の地位が下がったために家庭にやりがいを感じなくなっているのかもしれない。今は新しい家庭が出来上がるかどきなのかもしれないけれど、その前に一番割をくう子どもが心配。2013/03/02

19May

0
1997年出版の本書によると、アメリカは労働時間が長くなる傾向があり、日本と比べても年間2週間も長く働いているそうである。仕事と家庭の両立問題を研究している著者が、全米有数のファミリーフレンドリーな企業で直面したのは、「子供と過ごす時間を、進んで時間外労働にあてる従業員」の存在だった。今や、やすらげる人間関係は家庭ではなく職場にあり、自己評価が高まるのは、家事や育児ではなく、工場のライン労働なのであった。本書の内容は「一人の研究者の見解と提言」に過ぎないが「極めて示唆に富むものであることは疑いない」。 2012/09/09

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