内容説明
OECD生徒の学習到達度調査(PISA)は、中等教育段階の15歳児の知識・技能を測る国際調査としては、世界で最も大規模なものである。本書では、PISA調査の分析尺度である各国平均、習熟度レベルについて記述しているほか、これらの教育成果を生み出している背景的要因として、教育費、親の教育水準、学習機会、学校間格差、教育リソースへのアクセス、生徒の社会経済文化的背景、生徒の学習への取り組み、コンピュータ・インターネットの利用、デジタル読解力、学習環境、学校・学級の雰囲気、教員と生徒の関係、教員の態度や行動、公立学校と私立学校の違い、学校外の学習、就学前教育、学校の管理運営、学校の裁量とアカウンタビリティなどの指導を用いて、包括的な分析を行っている。
目次
序章 教育システムの分析とPISA調査の特徴
第1章 テクノロジーは必要とされる人的スキルをどのように変えるか?
第2章 PISAというプリズムを通して見る日本の教育
第3章 フィンランド:経済競争力のための競争なき教育
第4章 シンガポール:将来を見据えた教育
第5章 カナダ・オンタリオ州:明日の技能を身に付ける教育
第6章 上海と香港:学び方を学ぶ教育
第7章 日本からの教訓、日本への教訓
付録 PISA2009年調査の特徴
著者等紹介
渡辺良[ワタナベリョウ]
国立教育政策研究所国際研究・協力部長。1948年生まれ。国際基督教大学(ICU)大学院博士課程を経て、1975年ユネスコ教育工学専門職員。1980年国立教育研究所指導普及部、1989年国際研究・協力部主任研究官等を経て、1998年より現職。OECD‐PISA運営理事会日本代表理事兼副議長(前議長)、OECD‐INES諮問委員会委員。日本ユネスコ国内委員会委員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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