目次
混迷と停滞―一六世紀から一八世紀までのエジプト
近代への覚醒―ムハンマド・アリー朝の成立
帝国への道―強兵策と領土拡大
挫折―英国の壁
行財政改革―近代的中央集権国家の誕生
近代化と殖産興業―経済的自立の模索
ムハンマド・アリーの時代―その光と翳
反動と転機―アッバースとサイード
脱亜入欧―イスマーイールの挑戦
転落―植民地化への道
最初の革命―そしてその挫折
第二の革命―独立回復への長い道
落日に向かう王朝―ファルークの時代
エジプト革命―王朝の終焉
ナセルの時代
サダトの時代
ムバーラクの時代とこれからのエジプト
著者等紹介
山口直彦[ヤマグチナオヒコ]
1962年生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。日本貿易振興機構のバグダッド、ロンドン、カイロ、ジャカルタの各事務所勤務、公正取引委員会事務総局国際協力企画官などを経て、現在、日本貿易振興機構に勤務(イスタンブール駐在)。専門領域は中東の政治・経済、近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
穀雨
9
非欧米世界でいち早く(日本よりも早い)近代的な国づくりに取り組みながら、そのあまりにも重要な地政学的位置ゆえに大国の介入と挫折を味わってきたエジプトの200年史。戦間期の代表的なふたりの政治家を田中角栄と岸信介にたとえるなど、日本になぞらえた個所が多くて気になったが、それだけ両国の歩みは似ているということで、日本人にもっと知られるべき歴史だと思った。2025/06/22
印度 洋一郎
8
18世紀末のナポレオン軍侵入から、21世紀のムバラク政権までを概観する一冊。明治維新の半世紀前、同じように非西洋の国が近代化に挑戦し、欧州列強の前に挫折を何度も繰り返しながらも戦い続けた叙事詩のようなエジプトの歴史はエキサイティング。特に、英傑ムハンマド・アリーが一代で富国強兵を成し遂げていく様は、スケールの大きな英雄譚のようだ。馴染みの無いエジプト史を読者にわかり易くする配慮なのか、随所にエジプトと日本を対比させる表現が多いが、確かにその近代化や西洋との確執する歩みは、重なっているような気もする。2012/06/23
CCC
2
馴染みのない国の話。やはり知らない地名や人名だらけで、中々頭に入りずらかったけれど、一通りの流れは掴めたと思う。やや日本の例とくっつけ過ぎているような気はしたが、お陰で話が身近に感じられて読みやかった。近代化の試行錯誤が中々実を結ばないエジプト史。西洋諸国の都合で右往左往する様は、何だか少し不憫だった。ただ、個人的には暗殺が多いのが気になった。本文からはあまりそういった印象を受けなかったが、よく考えると結構物騒。そういったところにも、上手い具合に歯車が噛み合わなかった原因があったかもしれないとも思った。2012/08/28
可兒
2
アラブの革命騒ぎに便乗した新版のようだ。内容は明治維新との比較が多いように思える。逆にわかりにくいところもあったが2012/04/20
(ま)
1
明治維新より50年も先に近代化への取組を始めたが....2020/01/21