子どもの性虐待と人権―社会的ケア構築への視座

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  • サイズ B6判/ページ数 139p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750330129
  • NDC分類 367.9
  • Cコード C0036

内容説明

性犯罪被害者は、他の種類の犯罪被害者より後期心的トラウマ・ストレス障害が顕著に深刻である。性犯罪被害の中でも、成人した後よりも、生育期の子ども時代に被害に遭った方が、心的外傷が特に深い。なぜなら、成人期にトラウマ被害に遭うとすでに形成された人格構造を侵食するが、児童期に起こったトラウマはその子どもの人格そのものを歪曲しながら形成するからである。本書は、子どもに対する性犯罪の対処に関する、臨床的実践及び法社会改正を目的とするものである。

目次

序論 子どもに対する性犯罪問題を本書で取り扱う意義
第1章 子どもに対する性犯罪の実態(児童に対する性犯罪の実態―ある判例から;親による児童性虐待の無処罰状態のメカニズムと是正への視座;性虐待動機形成要因としての子どもの所有物視)
第2章 児童性虐待サバイバー再被害の社会心理構造(児童性虐待被害による解離障害・危険状況察知機能障害と再被害の構造;精神医療において制度的に遂行される客観的暴力;司法において制度的に遂行されるサバイバーへの客観的暴力;再被害現象構築要因としての加害者の制裁欲とサバイバーの心的障害;児童性虐待被害者の社会的障害と再被害;性産業を中心とする再被害)
第3章 人権侵害欲の内部構造(人権侵害欲を制度的に生み出す法の様相の改正に向けて;「非行」という言葉・社会概念が肥大化する児童虐待被害者に対する人権侵害欲;言語・社会・教育における人権侵害欲の構築)
第4章 子どもに対する性暴力欲をつくりだす商品の根絶に向けた法改正への視座(性的物象化と人権を重んじる性の在り方;「わいせつ物」「ポルノグラフィー」から「性暴力扇動商品」へ;性暴力扇動商品による性の衝動化・中毒化;性暴力扇動商品と性犯罪者処遇プログラム;性暴力扇動商品製作過程における深刻な人権侵害の実態;性暴力扇動商品法規制の可能性)

著者等紹介

柴田朋[シバタトモ]
コーネル大学比較文学科を首席で卒業。東京大学研究生を経て、EHESS(フランス国立社会科学高等研究院)博士。国連人権委員会で声明文を多数発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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