出版社内容情報
われわれはなぜ「消費」を促され、強いられ続けているのか。ウェーバーからボードリヤールにいたる社会学思想の系譜と、世界を覆う「新しい消費手段」のさまざまな実例とを交差させ、合理化とともに「魔術化」の道を辿り続ける現代消費社会を解析する。
目次
第1章 新しい消費手段を一巡り
第2章 消費の革命と拡大する社会
第3章 社会理論と新しい消費手段
第4章 合理化、魔術化、脱魔術化
第5章 再魔術化1―エクストラヴァガンザおよびシミュレーションを通したスペクタクルの創出
第6章 再魔術化2―内破、時間および空間を通したスペクタクルの創出
第7章 消費の風景
第8章 新しい消費手段の社会への影響および未来
著者等紹介
リッツア,ジョージ[リッツア,ジョージ][Ritzer,George]
1940年生。コーネル大学で博士号(Ph.D.)取得後、北京大学、ブレーメン大学等の客員教授を経て、メリーランド大学社会学部教授
山本徹夫[ヤマモトテツオ]
フリーランスの翻訳家。哲学、経済学、応用物理学など多分野におよぶ研究論文(仏語または英語)の翻訳多数
坂田恵美[サカタメグミ]
フリーランスの翻訳家。関西外国語大学・国際言語学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白義
10
リッツアの本はいつもだいたい日常的に実感できる、巨視的な潮流を的確に整理していて使える。ディズニーランドやショッピングモール、はたまたゲーテッドコミュニティのようなあらやるものの消費を可能にする空間、イマドキっぽく言えばアーキテクチャの台頭、その内部で進む脱魔術化と再魔術化の編成をざっくり辿る。消費をめぐる社会学理論や、モダンとポストモダンのジレンマを分かりやすく位置付けているのもいい点。マクドナルド化とはある程度重なりながら違うシステム化の姿をよく描いている2012/10/16
じょに
4
援用される諸理論(マルクスやヴェーバーやボードリヤールやソジャ、或いはアーリ)に目新しさはないし、目眩のするような進展もない。かなり使い勝手のいいように単純化されている様にも感じる。しかし、リッツアの優れているとこを挙げるとすれば、普段の生活で自明に思われていたり、ややこしく思われる物事を、そうゆう理論を使って、いちいちしつこく分かりやすく捉え返していく所にあるんでしょうね。理論なんて道具。別に分かりやすいこと自体は悪くない。2009/05/22
samandabadra
1
今までばらばらで考えていたことが消費というキーワードでまとまりました。 社会言語学では「言語景観」(linguistic landcsape)なる研究が盛んに行われていますが、そのもともとが文化地理学にあり、権力の風景(landscape of power)という形で提示されていたものであることがわかりました。ここで言及されているlandscapeの考察は、言語景観における「landscape」の考察の浅さやもの足りなさが、明らかに権力関係の「脱色されたもの」であるがゆえであることを理解させてくれました。2011/11/24
Hiromu Yamazaki
0
諸理論の使い方はかなり身勝手な印象だが、日常に溢れる事案が丁寧に並べられている感じ。とりあえずディズニーとラスベガスは最強。2013/07/20