内容説明
レイシズムは変貌する。科学を標傍する古典的なレイシズムは姿を消したかに見える。だがレイシズムは今日、「差異」や文化の固有性を強調する言説に巧妙に潜む。著者は近年ヨーロッパで高まるレイシズム現象を例示しつつ、レイシズムとは何かを定式化する。そしてこれらの現象が、グローバル化による西欧社会の転換―労働運動の衰退、教育・福祉などの諸制度の危機、文化の断片化、メディアの役割の増大―と結びついていることを明らかにする。さらに反レイシズム運動の困難を示しつつ、レイシズムを克服する思考を切り開く。
目次
1 レイシズムの分析理論(科学的レイシズムから新しいレイシズムへ;レイシズムの空間;レイシズムは様々な形で表れる;人種差別暴力)
2 レイシズムの現在(ヨーロッパ社会におけるレイシズムの現状;メディアの影響;反レイシズムの困難)
著者等紹介
ヴィヴィオルカ,ミシェル[ヴィヴィオルカ,ミシェル][Wieviorka,Michel]
1946年、パリ生まれ。アラン・トゥレーヌ(社会運動論)のもと、1988年『テロリズムの社会学』で国家博士号取得。現在、国際社会学会(ISA)会長、パリ社会科学高等研究院教授。専門は、社会運動論、多文化主義、文化的差異、レイシズム、暴力、テロリズムなど、幅広い分野に及ぶ
森千香子[モリチカコ]
南山大学専任講師。社会学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
世界はきっと輝いてみえる
awe
ほんよむしばいぬ
Hiroshi Higashino