出版社内容情報
インターネットの普及に伴ってますます増殖し、通常のメディアでも一般化が進むポルノグラフィ。「表現の自由」が叫ばれる裏側で多発する、ポルノグラフィが直接的・間接的に引き起こす性被害をいかに法的に救済するのか。アメリカとカナダの事例から考察。
はしがき
第1部 ポルノグラフィの再定義
第1章 ポルノグラフィとは何か
1 男性支配のエロス化
2 女性の従属
3 男性の社会化とポルノ使用
4 男性の非人間化
第2章 性売買としてのポルノグラフィ
1 性・ジェンダー・暴力
2 性売買の概念区分
3 売買春
4 ポルノグラフィ
第3章 性売買批判の論拠
1 二重の論拠
2 性差別としての性売買
3 「性=労働」論をめぐって
第2部 深刻化するポルノ被害
第4章 ポルノ被害とは何か
1 ポルノ被害の類型
2 制作被害
3 消費被害
第5章 二つの凶悪事件
1 バッキービジュアルプランニング事件
2 「関西援交」シリーズ事件
第6章 インターネット時代の暴力ポルノ
1 暴力ポルノの現状と歴史
2 インターネットの影響
3 裁判と報道の限界
第3部 ポルノグラフィの法規制
第7章 「わいせつ」物規制法
1 性の私秘化
2 わいせつ物規制法の起源
3 ポルノ産業による性の公然化
4 自由主義からの批判
5 フェミニズムからの批判
第8章 アメリカ「反ポルノグラフィ公民権条例」
1 条例制定前史
2 条例の意義
3 条例の特質
4 条例の挫折
5 違憲判決の論理
6 条例と「表現の自由」
7 条例の継承
第9章 カナダ「わいせつ」物規制法の「被害アプローチ」
1 「性の不当な搾取」の禁止
2 バトラー判決の概要
3 バトラー判決の先駆的法理
4 日本への示唆
第4部 性的人格権の復位
第10章 性的自己決定権の意義と限界
1 性的自由の意義
2 「性=雇用労働」論批判
3 「性=自営業」論の問題点
第11章 性的人格権の復位
1 〈性〉の人格的価値
2 性売買批判としての性的人格権
3 性的自由の権利構造
4 今後の方向性
【参考資料】アメリカ反ポルノグラフィ公民権条例(モデル条例)
あとがき
内容説明
ポルノグラフィと法規制―古くて新しい、しかも緊急の検討課題ではあるまいか。本書はこの問題に、ポルノグラフィが現実的かつ具体的にもたらしている広範な性被害の観点からアプローチする。
目次
第1部 ポルノグラフィの再定義(ポルノグラフィとは何か;性売買としてのポルノグラフィ;性売春批判の論拠)
第2部 深刻化するポルノ被害(ポルノ被害とは何か;二つの凶悪事件;インターネット時代の暴力ポルノ)
第3部 ポルノグラフィの法規制(「わいせつ」物規制法;アメリカ「反ポルノグラフィ公民権条例」;カナダ「わいせつ」物規制法の「被害アプローチ」)
第4部 性的人格権の復位(性的自己決定権の意義と限界;性的人格権の復位)
著者等紹介
中里見博[ナカサトミヒロシ]
1966年福岡市生まれ。名古屋大学大学院法学研究科博士課程退学。福島大学行政政策学類助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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