出版社内容情報
メキシコ・ナワ先住民農村において、ジェンダーの視点から親族の関係を読み、近年著しい社会状況の変化との関係を描いた民族誌。性差を含む社会構造そのものを分析することで差異の多元的で動態的な側面を明確にし、フェミニスト研究に新しい可能性を与える。
内容説明
ワステカ(la Huasteca)と呼ばれるこの地域は温暖多雨で肥沃な土地に恵まれ、先スペイン期からトウモロコシの栽培が人々の暮らしを支えてきた。だが近年、とくにメキシコ国家が新自由主義体制に移行してからは、グローバル化の巨大な波が、直接的・間接的に、そして急速に押し寄せてきた。このような社会経済的な変化とジェンダーとの関係は、どのように分析できるだろうか。
目次
第1章 序論―「ジェンダーと社会変化」の民族誌のために
第2章 ワステカ地方とA村
第3章 ジェンダーと土地/共同体
第4章 ジェンダーと都市住民
第5章 変化する「子ども」
第6章 変化する「結婚」
第7章 家を建てる女たち
第8章 農村のシングルマザーたち
第9章 結論―ジェンダー研究の新たな可能性
著者等紹介
山本昭代[ヤマモトアキヨ]
1960年兵庫県生まれ。1984年京都大学文学部卒業後、出版社勤務、フリー雑誌編集者を経て、1994年から3年間メキシコに留学。1997年Centro de Investigaciones y Estudios Superiores en Antropolog´ia Social(CIESAS)修士課程修了。2005年東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了、博士(学術)。現在、慶應義塾大学ほか非常勤講師。専攻、文化人類学、ラテンアメリカ地域研究、ジェンダー研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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