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出版社内容情報
長年障碍児教育に携わった著者がその教師生活を振り返る。障碍児が小さなきっかけから新しい事を発見し体得していく過程を、数多くのエピソードを交えて詳細に綴る。著者が試行錯誤して子どもと深く関わる姿は、教育に携わる人々に大きな示唆を与えるだろう。
献 辞
序
こどもたちの名前
第1章 そして今日まで
第1節 心理学について
第2節 野良について
第3節 壁歩きのやっちゃん
第4節 梅津先生のこと
第5節 兎たちの寓話――警戒域
第6節 兎たちの寓話――本拠地
第7節 兎たちの寓話――閉じた行動
第8節 人憑きの系譜
第9節 中島先生のこと
第2章 出会い
第1節 背中のいずみちゃん
第2節 保育器のえみさん
第3節 ブースのさっちゃん
第3章 見えない空間
第1節 座らないわけ
第2節 座ったわけ
第3節 掴めない音
第4節 ベビーベッドの中で
第5節 手で食べる
第6節 探しにいく音
第7節 開いた空間
第8節 それぞれの空間
第4章 こどもの世界
第1節 玉転がしを巡って
第2節 難しいこと
第3節 正しい考え
第4節 スライディング・ブロックを巡って
第5節 毎日の生活
第5章 誰と暮らすか
第1節 幼稚園
第2節 大 学
第3節 ハンドバッグのレイコちゃん
結 び
あとがき
こども一覧
あとがき
担当してきたこどもについての報告書を書くように言われた人が、記録を取っていないからいろいろ忘れてしまって、と逃げをうった。すると梅津八三先生が言われた。覚えていることを書きなさい、忘れたのは重要でないことだ。なるほどそうなのか。
考えてみれば、33年間一度も移動しなかった研究室に惜しむほどの資料は何もない。2000本の8ミリ映画とビデオテープの中のこどもたちの映像には心が残る。しかしそれも記憶に残った映像を大切にすればいいのかも知れない。
研究室を去る時は、ささやかなことばのアルバムだけを持ち出そうと、2006年3月31日を締切日に決めてこの本を書き始めた。しかし、締め切りまで3日であろうと30年であろうと、最後に必ず時間が足りなくなるのが原稿というものだ。とうとう半年遅れで予定の3分の1ほどをなんだか雑なままで、とりあえずの一冊とすることになった。これ以上延ばせば結局何も出来上がらないような気がする。
東京都心身障害者福祉センター時代の仕事について、当時の同僚だった香川スミ子氏に原稿を閲覧していただき、貴重な資料も提供していただいた。出版の運びについて金澤貴之先生、明石書店の高橋淳氏に労をとっていただいた。ここにお礼を申し上げる。
2006年7月
中野尚彦
目次
第1章 そして今日まで(心理学について;野良について;壁歩きのやっちゃん;梅津先生のこと;兎たちの寓話―警戒域;兎たちの寓話―本拠地;兎たちの寓話―閉じた行動;人憑きの系譜;中島先生のこと)
第2章 出会い(背中のいずみちゃん;保育器のえみさん;ブースのさっちゃん)
第3章 見えない空間(座らないわけ;座ったわけ;掴めない音;ベビーベッドの中で;手で食べる;探しにいく音;開いた空間;それぞれの空間)
第4章 こどもの世界(玉転がしを巡って;難しいこと;正しい考え;スライディング・ブロックを巡って;毎日の生活)
第5章 誰と暮らすか(幼稚園;大学;ハンドバッグのレイコちゃん)
著者等紹介
中野尚彦[ナカノナオヒコ]
1974年東京大学大学院人文科学研究科博士課程心理学専修課程退学、東京都心身障害者福祉センター視覚障害科勤務。1974年群馬大学教育学部講師。同助教授、教授を経て、2006年3月31日退職、同名誉教授。主として『障害児教育学研究』に執筆、同編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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