出版社内容情報
一九五〇年以来、日本における人権問題の最前線で活動してきた日本弁護士連合会の編集による人権侵犯事例集。本巻は1975~1987年度の事例(警察官による侵害や検察官による侵害等)を収録。歴史的・社会的意義のある貴重な資料集でもある。
一 警察官による侵害
二 検察官による侵害
三 裁判官による侵害
刊行にあたり
この度、一九五〇年以来今日まで、当連合会が人権侵犯事案について勧告・要望等を行った事例集が、全五巻に分冊して刊行される。第一巻から第三巻までは、当連合会が一九七七年と一九八七年に「人権事件警告・要望例集」(当連合会人権擁護委員会編)としてまとめたものの復刻版であるが、特に第二巻、第三巻については、広く一般の読者に普及させるためのものとしては初めての出版になる。そして、第四巻、第五巻については、この度の出版を機会に、一九八八年以降の事例を新たに編集し収録している。戦後新たな民主国家として出発して六〇年を経た今、本事例集が刊行され、これまでの人権侵犯事例の全歴史を振り返ることができることは、大変意義深いことと考えている。
本書を手に取られた方は、膨大な数の人権侵犯事例を目の前にし、人権擁護と社会正義の実現を使命とする当連合会が、変化の激しい社会で生じる多種多様な人権侵犯事案に、常に光を当ててきたことを理解していただけると思う。当連合会も、過去の活動を改めて振り返り、多様な価値観が尊重される現代社会において益々重要になるその役割を自覚し、今後も人権擁護のため不断の努力を行う決意を新たにしたところである。
本事例集の刊行は、数々の解決困難な人権侵犯事案を調査・研究し、報告書をまとめられた歴代の人権擁護委員の努力なくしてはあり得なかった。関係者各位に心から感謝と敬意を表する次第である。本書が多くの人に活用され、新世紀における人権擁護活動の指針となることを期待する。
二〇〇五年一〇月
日本弁護士連合会
会長 梶谷 剛
内容説明
日本弁護士連合会は、基本的人権の擁護を使命とする弁護士の全国的組織として、昭和二四年の創立以来、人権擁護委員会を設け、具体的人権侵害事件の調査、被害救済と共に、幅広い人権問題についての研究や提言を重ねてきた。最も重大な人権侵害というべき冤罪事件につき再審によりその冤を雪いできたのも、重大な成果であるが、その他幾多の人権侵害事象について、その原因を探り、同種事件の根絶に向けて、関係者に警告や要望を発してきた。ここに、その活動記録を事例集として刊行する。
目次
1 警察官による侵害(警察官による違法な任意同行・暴行傷害、検察官による違法な勾留延長・少年事件の再送致、裁判官による不当な逆送・再逆送・身柄拘束(石神井署少年事件不当処遇事件)
外国人登録法違反に籍口した捜索差押の濫用(川口警察署不当捜索差押事件)
違法な現行犯逮捕・取調・身体検査(小岩警察署不当逮捕事件) ほか)
2 検察官による侵害(検察官による強引な見込捜査と捜査権の濫用及び裁判官による形式的勾留質問(捜査権の濫用事件)
接見妨害及び深夜取調(甲山学園事件接見妨害事件)
警察官による違法な任意同行・暴行傷害、検察官による違法な勾留延長・少年事件の再送致、裁判官による不当な逆送・再逆送・身柄拘束(石神井署少年事件不当処遇事件) ほか)
3 裁判官による侵害(検察官による強引な見込捜査と捜査権の濫用及び裁判官による形式的勾留質問(捜査権の濫用事件)
警察官による違法な任意同行・暴行傷害、検察官による違法な勾留延長・少年事件の再送致、裁判官による不当な逆送・再逆送・身柄拘束(石神井署少年事件不当処遇事件)
法廷の秩序維持に関して事実誤認の疑いのある監置処分による人権侵害(東京弁護士会) ほか)
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