バイキングと北欧神話

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  • サイズ B6判/ページ数 173p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750322094
  • NDC分類 238.9
  • Cコード C0098

出版社内容情報

フランス、イタリアを攻撃し、ロシアを縦断してアラブ、アジア地域も窺い、コロンブスより500年も前にアメリカ大陸を発見した「バイキング」。北欧古代、欧州中世を豪壮華麗に彩ったその実像と、魅力にあふれた神話の世界に迫る、興趣尽きない歴史読み物。

第1部 バイキングの活躍――西欧への衝撃
 バイキングとは?
 バイキング、その舟と武器と習俗
 ノルウェーバイキング――アイスランド、グリーンランド(北北西への進路)
 アメリカ大陸の「発見」
 デンマークバイキング――英国、北フランスの植民、そして地中海へ(南進ルート)
 スウェーデンバイキング――ビザンチンへの道(東方への道)
 バイキングの滅亡――歴史の霧の中ヘ
バイキング関連主要事項年表
バイキング時代北欧三国族王譜
第2部 バイキングの神々――北欧神話の世界
 北欧神話の神々
 天地創造
 イードゥンと黄金の林檎
 神々への六つの贈り物
 トールとヒミールの大釜
 海神ニオルドと山岳女神スカーディ
 バルデル神の死
 ロキの懲罰
 神々の黄昏(ラグナレーク)
北欧神話関連注釈
あとがき
参考文献

あとがき
 中世フランチェスコ会派の神学者ボナベンチウスは著述家たちを四つのカテゴリーに分けて次のように説明している。先ず自分は何ものも加えることなく、また何ものも変えることなくある言説を引用する者――これを「記録者」と呼ぶ。次にある言説に何かを加えるが、しかし自分のものでない場合、これを「編纂者」と呼ぶ。第三に自分の言説と他者の言説を書くが、他者の言説が有力で、自分の言説はこれに説明的な場合、これを「注釈者」と呼ぶ。そして最後の第四のカテゴリーは、自分の言説と他者の言説を書くが、自分の言説が主力であり、他者の言説は自説の注釈、補足となるもの――これを著者と呼ぶ、と言っている。現代でも言えるところだが、これによれば本書は私の著作ではなく、私の編著であり、筆者はさしずめ「注釈者」というところであろうか。
 と言うのも実はバイキングと北欧神話に関しては北欧はもちろん、英国、米国を中心に多数の研究書、一般書が刊行されており、わが国でも翻訳書、研究書を含めて何点にも上っている。上記の事情から自分独自の新説ないし新見解を打ち出すのは困難でもある(ボナベンチウスを引用した所以である)。
 しかし編集や自由な部分的訳出や訳文スタイルその他を工夫することはできるかも知れない。その意味で、バイキングと彼らの信じたゲルマン民族の源流である北欧神話物語はこれまで別個に出されていたが、本書ではこれを一つに収めてみたのである。なお、北欧語の原音に近い仮名書きはもともと不可能であるため、ここではスウェーデン語発音の近似値を仮名書きで表記したことをお断りしておきたい。

 という事情で筆者はこれまで読んできたバイキングと北欧神話に関する多数の外国語文献類(北欧語とともに英語の文献、辞典、読み物類が多いが、これは英国とバイキングの歴史的密着度と米国に北欧系移民が多い背景からである)を中心に書きためてきたメモをもとにして、北欧専門家および研究家の間では常識に近いものではあるが、一定の水準をもつバイキングと北欧神話のコンパクト版を、一般の知的関心層にとっても共通の知識となることを念頭に置きながら、書き上げてみた次第である。筆者の意図が成功したか否かは読者が判断されるところだが、幸いそれが達成されているならば筆者としてこんな嬉しいことはない。

平成一七年 秋
著 者

目次

第1部 バイキングの活躍―西欧への衝撃(バイキングとは?;バイキング、その舟と武器と習俗;ノルウェーバイキング―アイスランド、グリーンランド(北北西への進路)
アメリカ大陸の「発見」
デンマークバイキング―英国、北フランスの植民、そして地中海へ(南進ルート)
スウェーデンバイキング―ビザンチンへの道(東方への道)
バイキングの滅亡―歴史の霧の中へ)
第2部 バイキングの神々―北欧神話の世界(北欧神話の神々;天地創造;イードゥンと黄金の林檎;神々への六つの贈り物 ほか)

著者等紹介

武田龍夫[タケダタツオ]
1928年北海道室蘭市生まれ。中央大学法学部卒。外務省語学留学生(ストックホルム大学)、外務省北欧担当官(この間NHK国際放送〔北欧向け〕顧問)。在スウェーデン、デンマーク大使館一等書記官、宮内省式部官、駐イスタンブール総領事を歴任。北海道東海大学教授(国際政治および日本外交史)、東海大学教授(北欧政治・外交および北欧社会研究)。この間大阪外国語大学、立教大学非常勤講師。1999年退任。現在、北欧文化協会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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榊原 香織

63
250年間ほど、ヨーロッパ各地を攻めまくった。 ヤダッタろーねー、リンディスファーン大修道院の人々とか。 ロシアの元は彼らだという理解でいいのだろうか。 ノルウェー、デンマーク、スウェーデン。 アイスランドは入植者の子孫2022/09/23

ふじっこ

11
もっと地図や史料がほしかった。2015/01/23

遊未

5
前半は各北欧バイキングの王、指導者の歴代史。イギリスやフランス、ノルマンディー地方、イタリアに侵入の場面になるとやっと知っている名前にお目にかかれる。一方、アイスランド、グリーンランドへの植民と、現在ではコロンブスより早くアメリカ大陸に到達したとされているが、残念ながら植民はできなかったので、今後の発見に期待したい。後半は神話。海の神ニオルドと山岳の女神スカーディの結婚が興味深い。人間でもどこに住むか?で愛情の問題ではなく別居にいたることはよくあること。2015/02/11

かすもり

1
冒頭は同著者「物語 北欧の歴史(1993年)」の序章(ヴァイキングに関する章)とほぼ同じ。中盤はある程度情報が更新されていた。2章は北欧神話の引用なので楽しく読めた。これより少し詳しいヴァイキングに関するものが読みたかったら同著者の「物語 北欧の歴史」をおすすめする。 「彼らは〜平等意識が高かった(p15,14〜15行)」の記述は、直前のスウェーデンヴァイキングの話なのか、ヴァイキング全体の話なのか。どちらとも取れて微妙に分からないので教えていただけると嬉しいです。2021/04/09

てつこ

0
前半のバイキングの歴史、後半は北欧神話の抜粋。バイキングの歴史はダイジェスト版という感じで歴史上の大きな出来事を解説。アイスランドはノルウェーの入植で開拓されたとか、スウェーデンバイキングが東方のビザンチンまで行きコミュニティを作っていたなど初めて知る話ばかりで面白い。後半はページを埋めるための後付けかな?という印象。前半はボリューム少ないなとも思ったけど、バイキングが活動してたのは約200年程度と短いのでこれ以上分量を多くしようとすると詳細な解説になってしまうのかな。2019/11/11

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