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チョムスキー 21世紀の帝国アメリカを語る―イラク戦争とアメリカの目指す世界新秩序

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  • サイズ B6判/ページ数 217p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750319025
  • NDC分類 319.530
  • Cコード C0036

出版社内容情報

21世紀の「帝国」として一極支配の世界を推し進めるブッシュ・アメリカの野望を世界を代表する言語学者が透徹した視点から鋭利に分析する。イラク戦争開戦に向けて、戦争以後の世界について、ブッシュ・アメリカはどのような虚偽を並べ立てているのか。

訳者まえがき

1 イラク戦争後
 1 恣意的・選択的記憶と不誠実な政策原理――サダム・フセイン拘束の後に
 2 米国はイラクに民主主義をもたらすか
 3 イラク戦争と民主主義への軽蔑
 4 “最高の犯罪”としての予防戦争――イラク侵略は不名誉なものとして残るだろう
 5 プロパガンダの過去と未来
 6 何が起きつつあるのか

2 イラク戦争前
 7 重大な危機の中にあるクルド人――ロンドン・セントポール寺院での講演から
 8 対イラク戦争――他国の政権を転覆する権利があるのか
 9 米国の干渉・介入――アフガニスタンからイラクまで
 10 緊迫するイラク問題
 11 ひび割れた鏡――「テロの時代」への重大な疑問
 12 トルコで中東平和の見通しを語る――トルコ・ディヤルバクルでのクルド人に向けての講演

解説 イラク戦争の前と後――テロ「帝国」アメリカの目指す世界新秩序

 私はこの数年、インターネットに載せられているチョムスキーの発言を翻訳し、私の管理するホームページ「平和研究翻訳博物館」で紹介することを続けてきました。本書は、その中のイラク戦争に関するものを選んで時系列に並べ直したものです。
 時系列といっても新しいものから古いものへと順に並べてあるので、チョムスキーが現在のイラク情勢をどのように分析し何を発言しているのか、その発言は情勢に応じてどのように変わったのか(あるいは変わらなかったのか)を知ることができます。
 本書を通じて読者の皆さんは一般のメディアでは知ることのできない米国の姿を知って驚愕されるかも知れません。だからこそチョムスキーは、米国では「非国民」扱いで主流メディアには滅多に登場させてもらえないのですが、彼の講演会には驚くほどの人が集まります。その理由も本書で納得されるのではないでしょうか。
 この翻訳はインタビュー、講演、論文から成っていますので、内容的に重複しているところが少なくありません。しかし、本書の良さはそこにあるのではないかと私は密かに思っています。というのは彼の畏友イクバール・アフマドはバーサミアンのインタビューでチョムスキーの魅力ととです」と述べていることは、私にとってとりわけ興味深く思われました。一度読んでも理解できなかったことが反復して述べられていることで、少なくとも私には、新しい発見となったことが少なくなかったからです。しかも、一見、重複しているように見えますが、注意深く読めば、そこに新しい事実がさりげなく挿入されていて、それが私にとって尽きない興味の源泉でした。
 またチョムスキーを通じて、湾岸戦争からイラク戦争までイラクとアメリカがたどってきた軌跡を辿っているうちに、私はまるで現在の北朝鮮と日本の関係を見ているような錯覚さえ覚えるほどでした。というのは湾岸戦争で侵略された隣国クウェートでさえフセインを脅威とは見なしていないのに遠く離れた米国ではメディアによって悪魔化されたフセインに多くの国民が恐怖におののいていたのです。その姿は、陸続きの韓国が金正日にほとんど何の恐怖もいだいていないのに日本海をへだてた国の民がテポドンにおびえている姿とどうしてもダブってきてしまうからでした。
 また、ミラン・ライ『イラク攻撃を中止すべき10の理由』(NHK出版)によれば、イラクでは湾岸戦争以来の経済制裁で、食料や医薬品などが手に入らないだべています。本書が、映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』で描かれたような米国=恐怖社会に日本が追い込まれないための、心の「予防戦争」の書となることを願ってペンをおきます。

二〇〇四年三月一日
寺島隆吉 

内容説明

虚偽のことば・帝国の野望。差し迫った大量破壊兵器の脅威!?イラクに民主主義をもたらす!?世界的な言語学者、知の巨人チョムスキーが読み解く。

目次

1 イラク戦争後(恣意的・選択的記憶と不誠実な政策原理―サダム・フセイン拘束の後に;米国はイラクに民主主義をもたらすか;イラク戦争と民主主義への軽蔑;“最高の犯罪”としての予防戦争―イラク侵略は不名誉なものとして残るだろう ほか)
2 イラク戦争前(重大な危機の中にあるクルド人―ロンドン・セントポール寺院での講演から;対イラク戦争―他国の政権を転覆する権利があるのか;米国の干渉・介入―アフガニスタンからイラクまで;緊迫するイラク問題 ほか)

著者等紹介

寺島隆吉[テラシマタカヨシ]
1944年生まれ。東京大学教養学部(科学史・科学哲学)卒業。岐阜大学教育学部教授。応用記号論研究会(JAASET)代表。コロンビア大学、カリフォルニア大学バークリー校、サザン・カリフォルニア大学客員研究員、カリフォルニア州立大学ヘイワード校日本語講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

めぐり

0
半分ほど… 言語学とメディアリテラシー プロパガンダによる大衆心理の誘導、意識的に視てみようと思う2017/07/23

カネコ

0
2009/03/14

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