神田外語大学多文化共生シリーズ
多文化共生のジレンマ―グローバリゼーションのなかの日本

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  • サイズ B6判/ページ数 152p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750318776
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0336

出版社内容情報

世界的に人やモノの移動が加速化する21世紀において真の国際化や共生社会のありようとは? グローバリズムの名のもとの現実とその問題点を、日常の話題や歴史的事実など具体例をあげ指摘し、共生、共存にむけた理論的枠組みをわかりやすく説く。

まえがき(石井米雄)

一 なんのための「国際化」
(1) 駅弁から世界がみえる
(2) 相互依存と国際化
(3) 国際化とはなにか
二 文化接触の諸相
(1) 歴史的な側面
(2) 動物・植物も国際化
(3) 衝突をくり返す異文化接触
三 「生息圏」「精神圏」「記号圏」
(1) 多重的な生息圏
(2) 意識活動がつくりだす精神圏
(3) 言語がつくりだす記号圏
四 コミュニケーション学の背景
(1) きっかけは第二次世界大戦
(2) ことなる記号圏のアメリカとイギリス
(3) コミュニケーション学のひろがり
五 縮小する地球・拡散する情報
(1) 伝播する文化
(2) 技術の進歩が地球をちいさくする
(3) 情報の自由化がもたらすもの
六 制御と共生
(1) 情報の制限
(2) 国際化と排外主義
(3) 共生の道をさぐる
七 「ごちゃごちゃ主義」のすすめ
(1) 相対主義と原理主義
(2) アメリカ原理主義の危険性
(3) 日本的スタイルで貢献する

あとがき
参考文献目録

 そんなきびしい現実の世界のなかで、これからの日本はどう生きて行けばいいのでしょうか。アメリカの一国主義と、イスラム過激主義という二つの原理主義が、ただひとつの正しさを主張してしのぎをけずっている現在の世界の情勢を目の当たりにして、それならば日本の生きる道はどこにあるのかとわれわれは考え込んでしまいます。そんなわれわれにとって、加藤さんは、日本人のもつ思想的伝統が強靭な力を発揮できるのではないかという、意外ともいえる提案をしてくれています。
 われわれはともすればすべて物事をすっきりと割り切って理解しがちです。あいまいなものは捨て去って、心地よい明快さをもとめようとします。しかしそのこと自体が、じつはもうひとつの排他的な原理主義になってしまっているのではないのか。排他主義が、すべての悲劇のもとであったことが、いくつかの歴史的事例の証明しているとおりです。日本人は昔から、「神仏」といいます。神とほとけはまったく別のものであるはずなのに、日本人は「神仏」といってこれをごちゃごちゃにしてとらえてきました。「神もほとけもないものか」などとよく言うでしょう。しかし著者は、その「ごちゃごちゃ」の再評価を提案しようとしての本は、いろいろな読み方ができる本です。読者がこの本から、それぞれに、二一世紀を生きる知恵を、それぞれに汲み取っていただけることを期待したいと思います。

目次

1 なんのための「国際化」
2 文化接触の諸相
3 「生息圏」「精神圏」「記号圏」
4 コミュニケーション学の背景
5 縮小する地球・拡散する情報
6 制御と共生
7 「ごちゃごちゃ主義」のすすめ

著者等紹介

加藤秀俊[カトウヒデトシ]
1930年、東京生まれ。1953年、一橋大学卒業。京都大学人文科学研究所助手を経て、1969年、京都大学教育学部助教授、1970年、同大学を退職。この間にハーバード大学、シカゴ大学の大学院で学び、スタンフォード大学コミュニケーション研究所に勤務。1971年からハワイの東西文化センターのコミュニケーション研究所に勤務。その後、学習院大学、放送大学などで教鞭を執り、1986年から94年まで放送教育開発センター(現、メディア教育開発センター)所長。1994年から、中部高等学術研究所所長、国際交流基金日本語国際センター所長を歴任。2002年から日本育英会会長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鯨船

0
グローバル化について非常にざっくり語っている。浅く広い内容で世界史的な話が多い。まだ国際化などよく知らない中高校生におすすめかもしれない。悪くはないし普通の本。2015/01/29

あやこ

0
内容が浅い。 結局何が言いたいのか分からなかった。2014/09/03

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