出版社内容情報
近代化された医療システムに支配され、治療の名の下に自由を奪われてしまっている「医療を受ける側」と、近代的実践者としての「医療を提供する側」の、新たな認識のあり方を描きだす。現代日本における医療をめぐる現象を追った医療エスノグラフィー。
まえがき
序 章 現代医療の民族誌――その可能性(近藤英俊)
はじめに
1 医療社会学と批判性
2 フーコーの貢献
3 近代医療論とその限界
4 ポストモダン医療論とその限界
5 民族誌の可能性
第1章 「病気である」と「病気ではない」を生きる――1型糖尿病者の事例から(浮ヶ谷幸代)
はじめに
1 偏見・差別の現実
2 カテゴリーを横断する
3 「糖尿病であること」を構築する言説
4 〈つぼみの会〉の社会運動
5 「病気であること」を秘匿する、告知する
6 生きる術(すべ)としての日常的実践
おわりに
第2章 「普通」を望む人たち――日韓比較からみる日本の美容外科医療(川添裕子)
はじめに
1 普通への渇望
2 境界的な医療の選択
3 「普通」を超えた後
おわりに
第3章 「治すこと」をめぐる葛藤――先端医療のオルターナティヴについて考える(柘植あづみ)
序論
1 再生医療研究に関する政策とマスコミ報道
2 先端的技術に対する当事者の期待
3 「治療」を願う理由
4 治らなくて良いという選択
結論
第4章 脳死臓器移植医療における章 「抑制」をめぐる知識と現実(武井秀夫)
はじめに
1 「抑制」廃止でみえてきたもの
2 知識と現実──創造的ケアへの一つの展望
おわりに
あとがき
内容説明
本書では、民族誌的手法を用いて身近に起きている医療をめぐる現象を具体的に描き出した。
目次
序章 現代医療の民族誌―その可能性
第1章 「病気である」と「病気ではない」を生きる―1型糖尿病者の事例から
第2章 「普通」を望む人たち―日韓比較からみる日本の美容外科医療
第3章 「治すこと」をめぐる葛藤―先端医療のオルターナティヴについて考える
第4章 脳死臓器移植医療における諸問題―医療現場からの問題認識
第5章 ポストモダン医療におけるモダン―補完代替医療の実践と専門職化
第6章 生物医療と日常世界の弁証法―新潟県守門村保健婦のがん検診勧奨活動とその普及
第7章 「抑制」をめぐる知識と現実
著者等紹介
近藤英俊[コンドウヒデトシ]
関西外国語大学外国語学部特任助教授
浮ヶ谷幸代[ウキガヤサチヨ]
千葉大学他非常勤講師
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