インドの女性問題とジェンダー―サティー(寡婦殉死)・ダウリー問題・女児問題

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  • サイズ B6判/ページ数 391p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750318486
  • NDC分類 367.225
  • Cコード C0036

出版社内容情報

サティー、持参金問題、そしてショッキングなほど減少している女児の人口…。実際起きた事件への綿密な取材を通し、現代インドの女性にかかわる重要な問題の要因を浮き彫りにする。『インド盗賊の女王~プーラン・デヴィの真実』の著者による迫真のルポ。

日本語版の読者へ
序文

第1章 一九八七年、ループ・カンワールのサティー
第2章 インドと西洋の歴史の中でサティーをめぐる反応
第3章 宗教的というよりも政治的な背景
第4章 ラージャスターン州におけるサティー賛美
第5章 南インドでセルヴィに再会
第6章 セルヴィの身に起こったこと
第7章 セルヴィの「事故」とその後
第8章 タミルナードゥ州の女児問題
第9章 寺院都市マドゥライ周辺
第10章 一九九五年、インド北西部とループ・カンワールの婚家を訪ねて
第11章 西ベンガル州の寡婦殉死とラージャスターン州のサティーの違い
第12章 サティーのあった当日
第13章 ループ・カンワール事件をめぐる証言
第14章 誰が火をつけたのか?
第15章 ジャイプールからデリーへ、ダウリー問題
第16章 寡婦の町ヴリンダヴァン訪問とベナレス
第17章 レイプやその他の事件
第18章 インドで初めて有罪宣告されたカルパイーの事件
第19章 タミルナードゥ州カッラル族にある慣習
第20章 カルパイーと娘たち
第21章 ジャイプールの女性活動家や弁護士
第22章 一九世紀のベンガル州の社会改革とジェンダー

" 本書はマラ・セン(マーラー・セーン Mala Sen)""DEATH by FIRE"", Weidenfeld & Nicolson, London, 2001を翻訳したものです。マラ・センといえば""India's Bandit Queen : The True Story Of Phoolan Devi""の著者として有名です。この本を元にして彼女が台本を書き、シェーカル・カプールが監督をした映画""Bandit Queen""(日本では『女盗賊プーラン』というタイトル)でも名前を知られています。私は彼女の本を翻訳し、『インド盗賊の女王 プーラン・デヴィの真実』を一九九八年に出版しました。その前後からイギリスの自宅に何度か訪問をし、私たちはプーラン・デヴィに会ったときのことや、インドのことなどさまざまなことを話し合ってきました。その間に二〇〇一年七月二五日に国会議員になっていたプーランが暗殺されるという悲劇もありました。マラ・センが本書を執筆しているときから完成したときにはまた翻訳をしたいと思っていました。そして本書が彼女の二冊目の著書であり、私が彼女の本を翻訳するのもこれで二冊目になります。
 本書は副題が示すように今日のインドで最も重要な三つの問題に焦点をあてています。寡婦殉死(サティー)、ダウリー問題、女児の問題です。寡婦の問題はインドで重要な女性問題の一つですが、寡婦殉死の問題を中心に扱っている本は日本で本書が初めてではないでしょうか。インドで妻であることは社会的地位がありますが、知人たちが寡婦になると周囲の状況が一変するのを見てきました。また、結婚して間もない一八歳のループ・カンワールが一九八七年九月四日にラージャスター"

内容説明

本書が出版されたときにインドで最初、多くの批評家たちは著者が現代のインド社会の暗い面を映し出していると批評した。しかし著者はそうは思わなかった。イギリスで本書が出版されてから数カ月たったときに、インド政府は二〇〇一年の国勢調査を発表した。それまでにも男女の人口比率は大きくなっていたが、さらに多くの女性が死亡していた。全国的な統計によると、現在、インドでは男性人口よりも女性人口が六七〇〇万人ほど少ない。インドにいる活動家の友人たちはだんだんと大きな問題になっている女の新生児殺しは、小さい家族を唱道する政府の政策によってさらに悪化していると言う。伝統的・歴史的な理由で息子が好まれることが社会に深く浸透し、その結果、すぐに女児を中絶したり、殺したりする。さらに、ダウリーの要求が増大し、村人までが都市化し、娘を持つ親の負担や犠牲は増す一方である。私たちみんなが知っているように変化は非常にゆっくりしたものである。インドで、道のりは長い。前途は長いし、途中でたくさんの落とし穴があるかもしれない。しかし、歴史は途中で突然に劇的に予期しない変化が起ることを何度も示してきた。その意味で、あらゆることに可能性がある。

目次

一九八七年、ループ・カンワールのサティー
インドと西洋の歴史の中でサティーをめぐる反応
宗教的というよりも政治的な背景
ラージャスターン州におけるサティー賛美
南インドでセルヴィに再会
セルヴィの身に起こったこと
セルヴィの「事故」とその後
タミルナードゥ州の女児問題
寺院都市マドゥライ周辺
一九九五年、インド北西部とループ・カンワールの婚家を訪ねて〔ほか〕

著者等紹介

セン,マラ[セン,マラ][Sen,Mala]
インドのウッタルプラデーシュ州ムスーリー生まれであるが、現在はロンドンに在住のジャーナリスト。イギリスのテレビ(チャンネル4)の仕事をしながら、プーラン・デヴィ(盗賊の女王として有名になり、後に国会議員になった)について書いた『バンディット・クイーン』(『インド盗賊の女王プーラン・デヴィの真実』)が最初の著書。これは10ヵ国語に訳されている。この本をもとにして台本を書いた同じ題の映画(シェーカル・カプール監督の映画、日本では『女盗賊プーラン』)は話題を呼んだ

鳥居千代香[トリイチヨカ]
1979~82年、国立インド工科大学デリー校(I.I.T.Delhi)大学院博士課程留学。インド国立ジャワーハルラール・ネルー大学(J.N.U.)講師を経て現在、帝京大学短期大学助教授。名誉博士(U.S.A.)(社会学)。日本ペンクラブ国際委員
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感想・レビュー

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Arte

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インドの女性問題について論評する本かと思いきや、イギリスに家を持つインド生まれっぽい著者(詳細は語られない)が、1987年のループ・カンワ―ルサティー事件について取材していく様子を書いた本だった。半分インド旅行記みたいだったり、友人が受けたDVについても語ったり、サティ―の歴史的背景やインドでの寡婦の扱いの話は興味深かったが、特に後半は翻訳が酷くて。2017/08/17

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