Q&A 子ども虐待問題を知るための基礎知識

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  • サイズ B6判/ページ数 257p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750318349
  • NDC分類 369.4
  • Cコード C0036

出版社内容情報

急増する「子ども虐待」の早期対応システム構築のために必要な各機関の連携法を、わかりやすいQ&Aと実際の援助事例で学ぶ。援助者に寄り添った協動の視点でまとめられた、実践に活かせる一冊。

刊行によせて/はじめに

第1章 子ども虐待問題の発生要因を考える
1 「子ども虐待」を生み出す社会
2 「子ども虐待」はどこまで含めるか
3 「すべてを引き受ける」子育ての未来
4 日本における子ども虐待の「福祉的援助」の成立
5 「丸ごと性」を検証する
6 「専門家」はどこに依拠するのか
7 われわれは何ができるのか――地域子育ての世代間伝承

第2章 子ども虐待対策の行方――諸外国から何を学ぶのか
はじめに
1 人口の増減と婚姻・出産に関する海外事情
2 子どものケアに関する海外事情
3 虐待問題の予防と介入――リスクアセスメントについて
4 家族への介入と支援――セイフティネットとレビューカンファレンス
5 分離後の子どもの養育について
おわりに

第3章 子ども虐待問題の基礎知識Q&A
■児童相談所編■
Q1 児童相談所における虐待相談件数はなぜ増加しているのですか(その原因と背景は)?
Q2 「早期発見」による「通告」が必要と言われますが、どのような状況だったら通告した方がよいですか?
Q3 通告後、児童相談所はどのように対応するのですか? とくに「親子分離」(一時保護、「親権」が強く、虐待をしていることを認めない保護者に対しての対抗措置が十分ではないと言われますが、その状況と対抗手段について教えて下さい。
Q13 虐待の通告先機関として、児童相談所や福祉事務所のほかに、警察署を加えるべきであるという意見がありますが、その問題点を教えて下さい。
Q14 「立入調査」に際しての施錠の切断措置に関して議論がありますが、その状況について教えて下さい。
Q15 児童福祉法第28条の措置について、実際の運用が少ないことが指摘されていますが、その運用と改善点は?
Q16 子ども虐待の防止や対応についてのネットワークを組む上で、弁護士の役割を教えて下さい。
Q17 今後地域で民間ネットワーク会議やケース会議を行う上で、プライバシーに関する児童相談所等の守秘義務違反との関係をどのように考えたらよいでしょうか?
Q18 少年非行の背景に、幼少時期の被虐待経験があると聞きますが、その関連について説明して下さい。
Q19 現在の児童相談所に権限を一任するのは制度的に十分ではないと言われますが、アメリカのような司法による虐待専門の「裁判システム」「権利擁護センター」構想は日本でも可能ですか?
Q20 児童虐したらいいのでしょうか?
Q30 知的障害をもった親が虐待をしている場合、どう援助したらいいのでしようか?

■心理・臨床編■
Q31 幼少時の虐待体験は、心身にどのような影響を与えますか?
Q32 虐待を受けた子どもをケアする上で、まず必要なことは何ですか?
Q33 虐待を受けた子どもをケアする場として、どのようなところがありますか?
Q34 虐待を受けた子どもは関係が取りにくいと言われますが、なぜでしょうか。どうかかわったらよいでしょうか?
Q35 なかには、人や物への暴力が著しい子どもがいますが、どのように理解し、対応したらよいでしょうか?
Q36 性的虐待とは何ですか。それは子どもにどのような影響を与えますか?
Q37 治療的援助を行うにあたって、留意すべきことや大切にすべきことは何ですか?
Q38 子どもを虐待する親とは、どういう人たちなのでしょうか?
Q39 親への援助はどのように行ったらよいのでしょうか?

■里親編■
Q40 里親とは何ですか?
Q41 日本ではなぜ里親が少ないのですか?
Q42 どんな人が里親になれるのですか?
Q43 どんな子どもが里親のもとにくるのですか?
Q44 子どもが里親

 子ども虐待問題が、日本においても大きな社会問題となり、その対応についても多くの取り組みが行われてきている。一方で「子ども虐待」に関する多くの出版物が刊行されている。そして、とくに二〇〇〇年「児童虐待の防止等に関する法律」が施行され、子ども虐待の「早期発見」は児童相談所の通告件数の増加でも明らかなように、大きな「効果」として表れてきた。
 しかし、子ども虐待の通告件数が増加したとして、それにつながる「早期対応」システムについては、果たして十分その体制が確立されているのであろうか。本書は、数多く出版されている「子ども虐待」の本とは〈一味違い〉、実際に、地域の虐待防止ネットワークを広げて行く活動のため、そして、虐待の早期発見のあとの早期対応、継続的なかかわりや支援が必要とされるケースについて、専門職の方々が実践で役立つようにとの思いで編集した。本書の執筆者はそれぞれの分野で子ども虐待に日々かかわっている、経験豊富なベテランの専門職や新進気鋭の研究者たちである。もちろん、将来、子どもの領域で、子ども虐待防止にかかわる仕事がしたいと思う学生諸氏に広くお読みいただいても、十分参考になるものとした。
 したがってこの、現場の実践者が子ども虐待問題に取り組む際、疑問に思っていることだけではなく、虐待防止ネットワークを作るとき、どうしたら良いかなど、その具体的な質問を想定し、事例をまじえて、それぞれ執筆者が質問に応える形式で解説をしている。その〈応え〉には必ず、今後、読者に役立つヒントやポイントが網羅されていると確信する。そして、それを踏まえて実際の「事例」を提示し、援助過程が理解できるように構成されている。
 前述したが、日本でも「子ども虐待」に関する関係図書は近年、多数出版されている。そして、多くの調査研究も報告されてきている。当初、数多く見られたアメリカやイギリスの翻訳だけでなく、虐待を受けた子どもたちの〈心的外傷〉体験に対する治療・支援についての実践報告がなされてきている。
 しかし、子ども虐待の対応は子どもだけではなく、その虐待をしてしまう「虐待者に対する支援」も欠かすことはできない。本書はその双方の視点をできる限り意識して、実践の可能性として取り入れる努力をした。
 したがって、繰り返しになるが、是非、子ども虐待の対応にかかわる多くの実践者だけではなく、今後、その志を抱き、学ばれようとしている方々にも本書を

内容説明

「子ども虐待」における各機関の連携法を、わかりやすいQ&Aと援助事例で学ぶ。

目次

第1章 子ども虐待問題の発生要因を考える(「子ども虐待」を生み出す社会;「子ども虐待」はどこまで含めるか ほか)
第2章 子ども虐待対策の行方―諸外国から何を学ぶのか(人口の増減と婚姻・出産に関する海外事情;子どものケアに関する海外事情 ほか)
第3章 子ども虐待問題の基礎知識Q&A(児童相談所編;司法編 ほか)
第4章 子ども虐待を事例から考える―ケース・アプローチのために(性的虐待事例;ネグレクト事例 ほか)

著者等紹介

小木曽宏[オギソヒロシ]
1954年生まれ。千葉県児童相談所・児童自立支援施設で18年間児童福祉に従事。1997年千葉子どもの虐待防止研究会設立。同研究会事務局長。現在、淑徳大学社会学部社会福祉学科助教授。専攻は社会福祉教育、児童虐待防止ネットワーク
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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