貧困に立ち向かう仕事―世界銀行で働く日本女性

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  • サイズ B6判/ページ数 213p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750318035
  • NDC分類 338.98
  • Cコード C0036

出版社内容情報

エジプトのスラム街、目の前で栄養失調の女の子が息を引き取っていく姿を直視した著者が心に決めたことは…。60年代末の大きな社会変動を経験しつつ経済学者となり、キャリアを積んでいた著者が体験した発展途上国の貧困解消のためのプロジェクト活動記録。

刊行によせて ガールズ・ビー・アンビシャス! 森山眞弓

1 世界銀行副総裁として働く

1 私の学生時代
アメリカとの最初の関わり/「自分は女だから、やりたいこともできない」/アメリカの高校に留学/「自分のことは自分でしなさい」が母の口癖/小学校のころの原体験/よい先生にめぐりあう/ガウチャー大学という女子大の個性/ガウチャーで学んだこと/「日本人でなくなる」ことへの恐怖感/「もう日本には帰りません」/女として思ったことをいえない日本社会/女子を一人教育すると、何世代にもつながる
2 情熱的なスタッフとともに、国づくりの夢を
大学の助教授から実業の世界へ転身/「世界銀行に来ませんか」/草の根レベルからの国づくりの夢/世界銀行の多彩なスタッフ/オープンな人間関係がたいせつ/多岐にわたる専門知識/スタッフの前で自分の全部をさらけ出す/「サイレンスを聞きなさい」/「あなた、何かいうことなかったの」/月に一回、日本人の女性スタッフが集まる会を/海外で働くなら、向こうで骨を埋める覚悟を
3 女性の解放が急がれる理由
女性解放に力を入れる/貧困は解消できる/顧客の女性のニーズを理解するために/村の女性標/アドバイザーとしての役割/お金を貸すことが第一の仕事ではない/一度関わると病みつきになる国/中国出張で変わった中国観/ハンガリーの経済改革に参加して/チームリーダーを引き受ける/二〇年後に実を結びはじめた!/重要な会議は、公園やディスコで/ほんとうの意味の融資とは
6 仕事のあとの心残り
仕事のあとの心残り/ユーゴスラビアの悲劇の予兆/よい指導者を選ぶには/トルコとパキスタンに見る運不運/改革を挫折させる政治/人を見つける/政治と欲望の中で、正義感をどう活かすか/仕事の夢にうなされる/うまくいったプロジェクトも気がかり

2 世界銀行で働く日本女性たち

1 国際開発の源には「人」がある(牧野由佳)
開発への関心/夢の実現に向けて/夢の実現/信頼関係/柔軟性/専門性/情熱/後輩へのメッセージ
2 世界銀行の使命の終了にチャレンジを!(松川智子)
「子どもたちに笑顔を」が究極の理想/途上国への資金調達ビジネス/初仕事は中国への融資の援助/七年がかりでまとめたベトナムの民活インフラプロジェクト/東アフリカのビクトリア湖保全に努力/まず、専門分野での経験を
3 途上国の国づくりに貢献(坂入ゆ

どういうきっかけであったか覚えていませんが、数年前初めて西水美恵子さんとお会いしました。世界銀行の副総裁になられたばかりで、私を議員会館に訪ねてくださったのだったと思います。
私は国際機関に日本人をもっと出したい、特に女性を……と言い続けていましたので、西水副総裁の誕生を喜び、心から歓迎いたしました。そして日本の女性たちを激励して、世界的に活躍する日本女性をもっと増やすよう西水さんにも力を貸していただきたいとお願いしたのでした。
その一つの方法として西水さんご自身や同じような日本女性の経験談を書いて本にしていただいたらきっと効果があるでしょうと提案しました。西水さんはそれを真面目に取り上げてくださり、世界を飛び回る忙しさの中でも忘れず、仲間にも話しかけていただいて今回この本出版の運びとなったのです。
西水さんは北海道の美唄町で育ち、東京都立高校の出身で、真面目な勉強家の学生でした。はじめから外国で活躍するという条件がととのっていたというわけではありません。
高校のときアメリカに留学する機会があり、アメリカの社会では女性に対する偏見が日本より少なく、能力を伸ばしやすいと、自分で考えて決断し、大変な努力の

内容説明

アメリカに留学…経済学者から世界銀行に転身、南アジア担当副総裁となった日本女性が途上国の貧困解消と女性の地位向上のために世界を駆けめぐる。

目次

1 世界銀行副総裁として働く(私の学生時代;情熱的なスタッフとともに、国づくりの夢を;女性の解放が急がれる理由 ほか)
2 世界銀行で働く日本女性たち(国際開発の源には「人」がある(牧野由佳)
世界銀行の使命の終了にチャレンジを!(松川智子)
途上国の国づくりに貢献(坂入ゆり子))
3 女性と貧困を考える(エンパワーメントとリーダーの資質;エネルギー、ジェンダー、貧困削減)

著者等紹介

西水美恵子[ニシミズミエコ]
1975年、米ジョンズ・ホプキンズ大学博士課程終了後、米プリンストン大学助教授(経済学)。80年世界銀行入行、生産性調査局開発リサーチ課開発政策担当スタッフ、産業戦略・政策局上級エコノミストなどを経て97年より南アジア地域担当副総裁。日本人女性として初の世銀副総裁に。南アジア担当として、アフガニスタンやスリランカの復興支援なども手がけた。2003年12月に世銀を退職
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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とよぽん

4
世界各国・地域の貧困に立ち向かう世界銀行で働いてきた著者。エコノミストとしてアメリカの大学で研究生活を送っていた人が、世界の貧困問題の解決に立ち向かう仕事へ転身した。学問を人々の幸福のために生かす、という志が素晴らしい。そして、自ら貧困にあえぐ国や村に行き、人々と生活を共にすることから開発課題を見出す。世銀の役割は、現地の人の主体的な開発・改革を援助することであり、「与えて終わり」ということではない。そういったスタンスも分かった。息の長い仕事だが、世界の貧困が少しずつ改善していくことを願う。2015/08/30

Humbaba

2
貧困にあえいでいる場合、生活を維持するのに精一杯でそこから抜け出すための行動が取れなくなることが多い。このままではダメだという意識はあっても、ではどうすればいいのかはわからず、また、もしもわかっていたとしてもその通りにはできない。そのような状態を抜け出すためには、手を差し伸べてくれる存在が必要になる。2013/07/19

まりこ

0
同じ高校とは。ただ、ニューヨークにホームステイできたり、アメリカの大学に行けるのは、ある程度恵まれた環境があってのことだと思うので、 すごいなあとは思うし、海外と日本の社会についての考えで共感する部分は多かったけれど、その反面、彼女はラッキーだからたまたまできた部分も多いので、一概に尊敬することはできなかった。 あと、女性の社会進出や日本女性が世界で働くことを重視しすぎて、逆に本の中で女性の素晴らしさを言い過ぎて男性批判になってしまった傾向があると思う。 2013/10/03

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