病いとかかわる思想―看護学・生活学から「もうひとつの臨床教育学」へ

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  • サイズ B6判/ページ数 325p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750317908
  • NDC分類 371
  • Cコード C0036

出版社内容情報

自ら癒す力の衰えた現代人。その問題点をナイチンゲールの看護論、西勝造の医学論をもとに検討。人間や動植物の形態の進化を踏まえ、現代の看護・医療のさまざまな矛盾点・問題点をみる。現代日本人の食生活の偏りから、心身両面の「健康」のあり方を考える。

第一章 ナイチンゲール看護論と現代
 ――文明批判の学としての西医学との共通性

一 看護学と医学
 1〈生命力〉と〈生活〉への着眼
二 ナイチンゲール看護論と現代社会
 1「健康の法則」と「文明」社会
三 西勝造の医学論
 1「生命の歴史」性
 2「空気」「熱」
 3「食」
 4〈卑小〉性としての〈排泄〉の力
 5「病気観」
 6 科学的医学構築の先駆者
四「看護の専門性」考
 1 生活性・日常性

第二章 科学的食理論の射程
 ――〈離乳〉の意味と近代食養運動の再評価

一 哺乳類と母乳
 1 哺乳類
 2 人類史における農耕・牧畜
 3 「乳糖不耐症」をめぐる諸問題
二 瀬江千史批判
 1 離乳の意味
三 香川綾批判
 1 香川栄養学の限界
 2 戦後の米食批判と社会変化

第三章 空腹と歯牙の意味論
 ――飢餓の生命史の視座から

一 空腹
 1 空腹/満腹と血糖値調節機構
 2 空腹の胃学(モチリン)
 3 空腹と排泄
 4 〈ニワトリを殺して食べる授業〉と〈断食〉
二 歯牙・歯式
 1 ヒトにおける歯牙退化
 2 日本列島における歯牙退化<と運ばれる暮らし
三 病院化社会
 1 癒すちから、癒えるちからの衰退
四 イリイチ思想と脱医療化運動
 1 生活と病気
 2 イリイチ思想と脱医療化運動
五 社会変革と自己変革
 1 「医療サービスの消費者」を超えて
 2 臨床教育学へ

目次

第1章 ナイチンゲール看護論と現代―文明批判の学としての西医学との共通性(看護学と医学;ナイチンゲール看護論と現代社会 ほか)
第2章 科学的食理論の射程―「離乳」の意味と近代食養運動の再評価(哺乳類と母乳;瀬江千史批判 ほか)
第3章 空腹と歯牙の意味論―飢餓の生命史の視座から(空腹;歯牙・歯式)
第4章 ハリス・諭吉・ベルツ―幕末維新期の牛乳/牛肉と日本文化(ハリスと牛乳;福沢諭吉と牛乳・牛肉 ほか)
第5章 イリイチの『脱病院化社会』をどう読むか―ロマン主義的自律論から「もうひとつの臨床教育学」への架橋(学校化社会;加速化社会 ほか)

著者等紹介

森本芳生[モリモトヨシオ]
1957年兵庫県生まれ。岡山大学理学部物理学科(磁性物理学専攻)卒業。同研究生、その他ののち神戸大学大学院教育学研究科教育計画論講座(修士課程)修了。専攻は教育学。日本綜合医学会会員
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