明石ライブラリー
生物多様性の危機―精神のモノカルチャー

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  • サイズ B6判/ページ数 233p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750317823
  • NDC分類 460.4
  • Cコード C0336

出版社内容情報

「緑の革命」、そして企業主導の科学的農業はいかにして生産様式・思考様式の単一性をもたらし、生物多様性にどのような打撃を与えているのか。途上国の視点から実証的に検証する。

序文

第一章 精神のモノカルチャー
 第一節 「消滅した」知識体系
 第二節 分断の裂け目
 第三節 「雑草」として破壊される多様性
 第四節 「奇跡」の木と「奇跡」の種子
 第五節 「緑の革命」と「奇跡」の種子
 第六節 モノカルチャーの持続不可能性
 第七節 知識の民主化

第二章 生物多様性――第三世界の視点
 第一節 「多様性の危機」
 第二節 生物多様性に対する主要な脅威
 第三節 生物多様性の浸食の影響
 第四節 第一世界の生物帝国主義と南北対立
 第五節 生物多様性保全に対する支配的アプローチの限界
 第六節 生物帝国主義から生物民主主義へ

第三章 バイオテクノロジーと環境
 第一節 序論
 第二節 バイオテクノロジーと生物災害
 第三節 バイオテクノロジーと化学災害
 第四節 バイオテクノロジーと生物多様性
 第五節 バイオテクノロジーによる代替品と第三世界の経済的地盤沈下
 第六節 バイオテクノロジー、私有財産化、中央集権化
 第七節 バイオテクノロジー、特許、生命の私的所有

第四章 種子と糸車――技術開発と生物多様性保護
 第

" 本書は、Monocultures of the Mind: Perspectives on Biodiversity and Biotechnology, Vandana Shiva, Zed Books: London and New Jersey & Third World Network: Penang, Malaysia, 1993の全訳である。原題は、第一章と同じ『精神のモノカルチャー』である。第二章と第三章の初出は、それぞれ第三世界ネットワークが地球サミット(一九九二年)に際して出版したパンフレットで、それが今回単行本に収録されたものだ。
 まず、著者の横顔を紹介しておこう。ヴァンダナ・シヴァは、一九五二年にインドのデーラドゥーン(ヒマラヤ山脈のふもと)に生まれた。物理学と科学哲学を専攻し、一九七八年に博士号を取得。この方面の素養は、著書でドナルド・オースター、トーマス・クーン、エヴリン・フォックス・ケラー、サンドラ・ハーディング、キャロリン・マーチャント、ジェローム・ラヴェッツなど科学史・科学哲学関係の引用がしばしば見られることからもうかがえる。バンガロールにあるインド経営研究所(Indian Institute of Management)で三年間研究に従事したのち、一九八二年に故郷のデーラドゥーンに科学・技術・自然資源政策研究財団(Research Foundation for Science, Technology and N・流通センターの運営に尽力している。森林問題、水問題、農業と遺伝子資源問題、世界銀行問題などをめぐる環境問題キャンペーンで中心的役割を演じるとともに、その理論的支柱でもある。フェミニスト理論家としても知られ、インドの女子労働を研究するドイツの社会学者マリア・ミースとの共著『エコフェミニズム』がある。(後略)

訳者あとがき"

目次

第1章 精神のモノカルチャー(「消滅した」知識体系;分断の裂け目 ほか)
第2章 生物多様性―第三世界の視点(「多様性の危機」;生物多様性に対する主要な脅威 ほか)
第3章 バイオテクノロジーと環境(バイオテクノロジーと生物災害;バイオテクノロジーと化学災害 ほか)
第4章 種子と糸車―技術開発と生物多様性保護(技術開発と持続可能性;多様性と生産性 ほか)
第5章 生物多様性条約―第三世界の視点からの評価

著者等紹介

ヴァンダナ・シヴァ[ヴァンダナシヴァ][Vandana Shiva]
1952年インド、デーラドゥーンに生まれる。物理学者・思想家

戸田清[トダキヨシ]
1956年大阪市に生まれる。大阪府立大学、東京大学で獣医学を、一橋大学で社会学を学ぶ。日本消費者連盟事務局、都留文科大学ほか非常勤講師を経て、1997年10月から長崎大学環境科学部助教授。専攻は環境社会学、科学史、平和学。長崎平和研究所研究員。長崎の自然と文化を守る会会員。長崎エスペラント会会員

鶴田由紀[ツルタユキ]
1963年横浜に生まれる。1986年青山学院大学経済学部卒業、1988年同大学大学院経済学研究科修士課程修了
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感想・レビュー

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taming_sfc

1
ヴァンダナ・シヴァによる2003年の訳著。書下ろしではなく、5本の論考を一冊の本にまとめた形を採っているため、「種子と糸車-技術開発と生物多様性保護」など、一部既読の論考があったことは確かであるが、様々な切り口から、生物多様性という問題に切れ込んだシヴァ論文を5本集めたと言う点では、編集の意図は達されていると言えよう。「緑の革命」批判、生物多様性における知識・特許・TRIPs・GATT体制批判、バイオテクノロジーにおける特許制批判などシヴァの当該問題に対するスタンスが良く理解できる一冊であると言える。2011/04/12

samandabadra

0
 生物多様性に関しては多くが語られているが、きちんとした図式や具体例を持って語った本として良書でした。どちらかというと、掲載されている論文は似通っていて、繰り返しに見えるかと思いますが、多様性とモノカルチャーの対立構図がはっきりとわかります。特に最初の論文は、言語の多様性との関連で、現象的に確認しておきたい事実が多く書かれているように思います。 2011/02/28

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