世界の教科書シリーズ
ロシア沿海地方の歴史―ロシア沿海地方高校歴史教科書

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  • サイズ A5判/ページ数 316p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784750317403
  • NDC分類 229.25
  • Cコード C0322

出版社内容情報

ソ連崩壊後の新たな状況のもと、共生・共存、多元主義の考え方が普及するロシア。現在進行中の教育改革に沿い、従来のロシア史・ソ連史という国家レベルではなく、地域史という新しいアプローチに基づき編まれたロシア沿海地方の高校生用歴史教材の全訳。

沿海地方・行政区画図
凡例
原著序文

第1章 古代のプリモーリエ
 §1 石器時代のプリモーリエ
 §2 金属器時代のプリモーリエ
 §3 古代のプリモーリエについての簡単な歴史的情報
第2章 中世紀のプリモーリエ(4~17世紀)
 §4 靺鞨(勿吉)の諸部族
 §5 渤海国(698~926年)
 §6 女真帝国金(1115~1234年)
 §7 13~17世紀のプリモーリエ
第3章 ザバイカリエとプリアムーリエの発見と開拓(17~19世紀前半)
 §8 17世紀におけるロシア人によるザバイカリエとプリアムーリエの発見
 §9 地域の経済開発“アムール問題”
 §10 19世紀前半のロシア極東
第4章 19世紀後半のプリモーリエ
 §11 農奴解放後のロシア極東:行政区画と人口
 §12 19世紀後半の極東への移住
 §13 極東南部の経済開発
 §14 19世紀後半のロシアの対外政策と東アジアにおける国際関係
第5章 20世紀初頭のプリモーリエ(1900~1917年2月)
 §15 露日戦争前夜のプリモーリエ
 §16 露日戦争時代のプリモーリエ
 §17 1905~07年のプリモーリエにおける革命的諸事件
 §18 1908~13年のプリモ
 §30 沿海地方の人口
 §31 沿海地方の経済発展
 §32 50年代半ば~80年代のプリモーリエの社会・政治生活
 §33 沿海地方とアジア太平洋地域の国際関係
第10章 アジア太平洋地域の国際関係秩序における世紀の狭間のプリモーリエ
 §34 世界的及び地域的発展の新しい動き:“冷戦”から多面的協力へ
 §35 ロシアの国際関係構造におけるプリモーリエ
 §36 地域協力プロジェクトにおけるプリモーリエ:潜在能力と展望
補章
 1 プリモーリエの教育、科学、文化(19世紀60年代~20世紀)
 2 プリモーリエの民族史

原注
訳者あとがき
用語に関する注記
沿海地方憲章

 「祖国の歴史の学習に対する新しいアプローチに基づいて、歴史教育カリキュラムの要求も考慮に入れて作成された」本書には、おおよそ次のような意義があるのではなかろうか。
 それは、ソ連邦崩壊後の新たな状況のもとで、現在ロシアで進められている教育改革の方向性とレベルの一端を、歴史教育の内容とあり方(方法)を通してうかがい知ることができるということである。本書は、いわゆる全国版の国定教科書ではなく、ロシア沿海地方で独自に導入された、沿海地方行政府・国民教育局推薦の自由選択の「地域史」教科書である。これが、「歴史の見直し」のなかで書き直された必修の国定教科書「ロシア史」(ロシア連邦教育省推薦)と併存している。
 現在、沿海地方を含む11の地方(クラーイ)と州(オーブラスチ)で、“региональныйкомпонент(地域の成分)”と呼ばれる郷土誌学(歴史・地理)が導入されているが、郷土や郷土的生活共同体への愛着と理解をはぐくむ郷土教育自体は、ソ連時代にも存在した(ソ連時代には小冊子程度の教材が使われていた)。地理的に国の中心地(ヨーロッパ・ロシア)から遠く離れているこれらの地域は、ソ連邦崩壊後の価格の自由化によーズ、時代の要請を考慮した、多様な教育内容、教育方法への転換である。学校教育への「地域史」教科書の導入自体画期的な出来事といえよう。(後略)

訳者あとがき

目次

第1章 古代のプリモーリエ
第2章 中世紀のプリモーリエ(4~17世紀)
第3章 ザバイカリエとプリアムーリエの発見と開拓(17~19世紀前半)
第4章 19世紀後半のプリモーリエ
第5章 20世紀初頭のプリモーリエ(1900~1917年2月)
第6章 革命、内戦、干渉の時代のプリモーリエ(1917年3月~1922年10月)
第7章 20世紀20~30年代のプリモーリエ
第8章 大祖国戦争時代の沿海地方(1941~45年)
第9章 20世紀後半の沿海地方
第10章 アジア太平洋地域の国際関係秩序における世紀の狭間のプリモーリエ
補章