大連 アカシアの学窓―証言・植民地教育に抗して

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  • サイズ B6判/ページ数 358p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750317014
  • NDC分類 372.225
  • Cコード C0022

出版社内容情報

1930年前後から日本の敗戦まで、日本支配下にあった中国人のための教育機関において、あるいは日本人学校において、日本人と共に初等教育から高等教育まで受けた人たちへの聴き取り調査から、中国人が経験した植民地教育を知ることのできる貴重な資料集。

「個人史」を記録する
1 中等普通学校
2 中等実業学校
3 日本人学校
4 女学校
5 実業学校
6 「満州国」の学校、私塾
7 高等教育
8 日本留学
9 早稲田
10 朝鮮・台湾から

初めて大連を訪れたのは、一九九二年の夏のことである。私が研究テーマとする「『満州』における植民地教育」の資料調査のためであった。日本の植民地教育は敗戦とともに一挙に瓦解し、「外地」という地理的な関係もあり、当時の状況を知る資料は多くない。さらに実際に教育に関わってきた中国の人々も「負の遺産」を抱えるように、貝のように押し黙ったまま、あまり語りたがらない。そんなに遠い昔のことではないにもかかわらず、どのような教科書が使われ、どのような教育が行なわれていたのか、どんな教師たちが海を渡ったのか、教育の実際はほとんど明らかにされてこなかった。
旧満鉄図書館の蔵書を引き継いだ大連図書館には、こうした資料が一部残っている。私は、夏と冬の休みを利用して大連図書館に足を運んだ。通算すると、二〇回余りになる。教育関係の資料だけでなく、地理、歴史、文化の領域にまで広げて資料を閲覧させてもらった。図書館の好意で必要な資料のコピーをとってもらい、毎回トランクいっぱいに詰め込んで帰国した。
一九九六年夏からは「档案館」と呼ばれる公文書館にも足を延ばした。大連档案館は政治関係の文書を保管した公文書館で、植民地関係の資料が収められてい

目次

1 中等普通学校
2 中等実業学校
3 日本人学校
4 女学校
5 実業学校
6 「満州国」の学校、私塾
7 高等教育
8 日本留学
9 早稲田
10 朝鮮・台湾から

著者等紹介

竹中憲一[タケナカケンイチ]
1946年11月、長崎県生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。1978年より1980年まで北京外語学院在籍。1981年より1986年まで在中国日本語教師研修センター・在北京日本学研究センター(外務省・国際交流基金主催)講師。現在、早稲田大学法学部教授(中国語)
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