個人情報保護法と人権―プライバシーと表現の自由をどう守るか

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  • サイズ B6判/ページ数 348p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750316604
  • NDC分類 316.1
  • Cコード C0036

出版社内容情報

個人情報保護法をめぐる課題を、プライバシーや表現の自由など、主として人権の観点から批判的に検討。市民の表現・コミュニケーションや、メディアの取材・報道まで、国家が乱暴に規制することの危険性を、法案解説、諸外国との比較によって明らかにする。

第1部 個人情報保護法とは何か

総論 個人情報保護法とは何か[田島泰彦]
 一 個人情報保護制度の経緯と動向
 二 個人情報保護制度への視点
 三 個人情報保護法案の検討
 四 住基ネットと個人情報保護法案
 五 個人情報保護法案――修正か、廃案か
 六 個人情報保護法案にどう対抗するか
各論1 個人情報保護法とネットワーク・学術研究[立山紘毅]
 一 個人情報保護の必要性を印象づけたネットワーク
 二 なぜネットワークで個人情報保護問題が深刻化するか?
 三 後手に回りがちな「対策」と対策がもたらす「罠」
 四 学術研究における個人情報の保護
 五 「保護」と「利用」の最適バランスをどこに求めるか?
各論2 行政機関個人情報保護法とその改正[三宅弘]
 一 個人情報保護法と行政機関個人情報保護法の改正
 二 改正行政機関法案の骨子と課題
各論3 検証/個人情報保護法とジャーナリズムの対応[横内一美]
 一 個人情報保護法に関する報道
 二 報道関係団体の対応
各論4 個人情報保護法と民間事業者の実態[竹内一晴]
 一 わたしたちの個人情報はどう扱われているのか
 報の保護の推進(第四十二条~第五十四条)[田島泰彦]
第六章 雑則(第五十五条~第六十条)[後藤登]
第七章 罰則(第六十一条~第六十四条)[後藤登]
附則(第一条~第八条)[田島泰彦]

第3部 個人情報保護法の国際動向

1 アメリカ合衆国におけるプライバシー情報の保護[中島徹]
 一 アメリカ合衆国における「個人情報保護」の方式とその背景
 二 アメリカ合衆国における「プライバシー」
 三 アメリカ合衆国におけるプライバシー情報保護の現状
2 EU・イギリスにおける個人情報保護法制とメディア[田島泰彦]
 一 個人情報保護法制とメディア
 二 EU・個人情報保護指令とメディア
 三 イギリス・データ保護法とメディア
 四 国際標準からみた個人情報保護法案
 五 イギリスにおけるIDカードの動向
3 ドイツ―プレスの公的地位と「自律的」規範[立山紘毅]
 一 連邦データ保護法の構図
 二 プレスの位置づけをめぐって
 三 メディア特権、そしてプレス評議会の反発と妥協
 四 日本への示唆
4 韓国における個人情報保護法制[韓永學]
 一 公的部門における個人情報保護
 

 本書は、ここ数年来重要な社会的争点になってきた個人情報保護法をめぐるさまざまな課題を、プライバシーや表現の自由など、主として人権の観点から批判的に検討しようとするものである。
 二〇〇二年五月に発覚した防衛庁の情報公開請求者のリスト作成問題や、国民全てに番号を付し、その基本的情報をコンピュータで全国的、一元的に管理する住民基本台帳ネットワークの稼動などを考えると、私たちのプライバシーが深刻な事態に直面していることを痛感させられる。(中略)
 コンピュータ社会の到来の中で、私たちのプライバシーや個人情報を真に守ることのできる法制度が求められているのは確かである。しかし、この国の政府が用意してきた個人情報保護法案などをはじめとする一連の提案は、もっとも必要とされる、公権力が保有・管理する個人情報への厳格な規制と市民によるコントロールが不十分な一方で、国家が立ち入ってはならないはずの市民の表現・コミュニケーションやメディアの取材・報道を乱暴に規制するものとなっている。このため、ジャーナリズムや市民から厳しく批判され、法案の成立は難航している。こうしたなか、二〇〇二年末には、政府・与党内に法案の廃案と修正・再提

内容説明

本書は、ここ数年来重要な社会的争点になってきた個人情報保護法をめぐるさまざまな課題を、プライバシーや表現の自由など、主として人権の観点から批判的に検討しようとするものである。本書で著者らが探求したのは、副題にも示されているように、表現の自由も守りながらプライバシーを真に保障できる個人情報保護の制度像である。

目次

第1部 個人情報保護法とは何か(個人情報保護法とネットワーク・学術研究―利用と保護のはざまで;行政機関個人情報保護法とその改正;検証/個人情報保護法とジャーナリズムの対応 ほか)
第2部 解説・個人情報保護法案(総則(第一条・第二条)
基本原則(第三条~第八条)
国及び地方公共団体の責務等(第九条~第十一条) ほか)
第3部 個人情報保護法の国際動向(アメリカ合衆国におけるプライバシー情報の保護;EU・イギリスにおける個人情報保護法制とメディア―イギリスのIDカードの動向にも触れて;ドイツ―プレスの公的地位と「自律的」規範 ほか)

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