明治維新と征韓論―吉田松陰から西郷隆盛へ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 256p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784750316598
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0021

出版社内容情報

日本思想史上、連綿と続く朝鮮蔑視観は幕末の対外危機の認識を経て征韓論に収斂する。維新の元勲に思想上、多大な影響を与えた吉田松陰や維新政府の初期外交に大きな発言力を持った西郷隆盛の征韓論は明治期の外交政策にどのような影響を及ぼしたか。

序 章 東アジアにおける日本と朝鮮
 一 はじめに――本書の課題
 二 東夷の小帝国
 三 交隣と蔑視
 四 自尊意識の昂揚
 五 本書の構成
第一章 吉田松陰と朝鮮――征韓論の原型
 一 はじめに
 二 危機への対応
 三 国体の探究
 四 征韓の論理
 五 開国攘夷の構想
 六 むすび
第二章 王政復古と征韓論――書契問題の背景
 一 はじめに
 二 「朝廷御直交」
 三 「朝廷親交の諾否」
 四 「御一新の御主意」
 五 むすび
第三章 初期外務省の朝鮮政策――朝廷直交論のゆくえ
 一 はじめに
 二 皇使派遣論
 三 政府等対論
 四 交渉断絶論
 五 むすび
第四章 西郷隆盛の真意――明治六年の征韓論争
 一 はじめに
 二 平和遣使か武力征韓か
 三 論争と政変
 四 「名分条理」の貫徹
 五 むすび
第五章 江華島事件――征韓論から万国公法論へ
 一 はじめに
 二 交渉の再開と停頓
 三 釜山から江華島へ
 四 征韓論と内治派政府
 五 日朝修好条規
 六 むすび
終 章  植民地支配と日鮮同祖論
 一 征韓論とは何

目次

序章 アジアにおける日本と朝鮮
第1章 吉田松陰と朝鮮―征韓論の原型
第2章 王政復古と征韓論―書契問題の背景
第3章 初期外務省の朝鮮政策―朝廷直交論のゆくえ
第4章 西郷隆盛の真意―明治六年の征韓論争
第5章 江華島事件―征韓論から万国公法論へ
終章 植民地支配と日鮮同祖論

著者等紹介

吉野誠[ヨシノマコト]
1948年、千葉県生まれ。東京大学文学部東洋史学科卒業ののち、新聞社勤務をへて、同大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、東海大学文学部アジア文明学科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

denz

3
古代において中国の皇帝と対等の「天皇」という称号が、中国に朝貢する朝鮮は「蕃国」=属国であるという伝説を必要とし、『日本書紀』にはそうした記述がある。幕末において天皇の浮上とともに古代の伝説が学ばれ、朝鮮は併呑すべき対象として見られるようになった。それが吉田松陰の征韓論であり、西郷隆盛の征韓論も武力行使や平和使節の二者択一ではなく、朝鮮に天皇をいただく日本と同等ではないことを理解させる必要があったのが主因とされる。西郷はともかく、松陰に関しては最後の一年の「非侵略」論への転換の丁寧な分析が必要であろう。2013/01/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/44498
  • ご注意事項

最近チェックした商品