出版社内容情報
公序良俗の美名に隠れた大人社会のご都合主義が子供たちを翻弄する!! 出版物をスケープゴートに、根拠なく少年非行を「有害図書」に結び付けてきた戦後社会を検証し、真の責任の所在を明示化する。
はじめに―大人のオモチャだった“青少年”
第一章 戦後も検閲を受けた言論界、そして子どもたちは
1 戦時中、今では想像もできない言論統制が
2 占領下――混乱と解放のはざまで、子どもたちは至って元気
3 出版界の再編成――離合集散と倫理問題
4 まずヤリ玉にあがった映画、青少年対策は着々と
5 警察に痛めつけられる地方書店
6 ワイセツ文書と“有害図書”の違い
7 不良といわれても、文化財だった出版物や映画
第二章 昭和三〇年、燃え盛る悪書追放運動
1 追放運動が起こるのはどんな年だったか
2 新聞に見る悪書追放のキャンペーン
3 子ども中心か、大人のお節介か――正反対の見方や意見
4 東京都も考えていた青少年条例
5 この“運動”は何だったのか? 「競輪は健全」という母の会会長
6 特別立法は見送られたが……、中青協のハラのうち
7 マスコミ攻勢に防波堤? 「マスコミ倫理懇談会」の設置
第三章 太陽族映画、そして不良週刊誌問題
1 「映画化するなんて、けしからん!」、大人たちはやはり保守的
2 子どもを可愛がらない日本の青少年き
第六章 少女誌の性表現に腰を抜かした? 大人たちの攻防
1 自民党、「図書販売規制法案」を検討
2 少年非行、戦後第三のピーク
3 世の中、成熟したのか、テレビも雑誌もにぎわしく
4 淫行、コンビニ問題、投稿写真でかせぐ少年たち
5 昭和から平成へ、残虐ビデオの影に隠れた出版物?
第七章 “少年少女向けポルノ” コミック本騒動
1 発端は宗教団体のキャンペーン
2 いつも後手に回る出版界の対応
3 条例強化を促進した自民党幹部
4 危機感を抱いたマンガ家たち
第八章 「子どもの権利条約」批准を渋った日本政府
1 批准が一五八番目という意識の低さはどこから来る?
2 ヘアヌードと青少年の実態
3 自主規制「成年向け雑誌」マークの“成果”
4 社会環境・メディアと青少年――世紀末に宿題も
5 ポケモン騒動、バタフライナイフ……テレビは刺激が強すぎる
第九章 感情論を理論で補強する法律の専門家
1 規制強化でますます窮屈な日本に
2 再び“マニュアル本”の是非が問われる
3 いまやコンビニも“有害環境”である
4 青
内容説明
本書は、戦後における“次代を担わされた”青少年の非行の現実と、出版物を中心とした“有害環境”との関連について検証を試みたものである。
目次
第1章 戦後も検閲を受けた言論界、そして子どもたちは
第2章 昭和三〇年、燃え盛る悪書追放運動
第3章 太陽族映画、そして不良週刊誌問題
第4章 不良図書追放と「出倫協」の結成
第5章 官民結集による青少年育成国民会議の発足
第6章 少女誌の性表現に腰を抜かした?大人たちの攻防
第7章 “少年少女向けポルノ”コミック本騒動
第8章 「子どもの権利条約」批准を渋った日本政府
第9章 感情論を理解で補強する法律の専門家
著者等紹介
橋本健午[ハシモトケンゴ]
1942年、中国大連生まれ。66年、早稲田大学第一文学部露文学専修卒業後、出版社・新聞社の編集や作家助手等を経て、82年、(社)日本雑誌協会に勤務(併設の出版倫理協議会事務局も担当,95年12月退職)。ノンフィクション作家、日本エディタースクール講師、日本出版学会会員
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