出版社内容情報
インドネシアのイリアン・ジャヤ州・ドミニ集落でのフィールドでの体験、観察・記録に基づき、開発パラダイムとその課題を総合的に示すことを試みる。被援助者や推進者の視点と社会の現状を複眼的に分析しより好ましい開発援助の姿を考察する。
まえがき
序 章
第1節 イリアン・ジャヤ州の概観と問題意識の位置付け
第2節 課題の設定と方法
第3節 開発パラダイムの変遷とインドネシア開発
第4節 インドネシアとイリアン・ジャヤ州における開発の時系列的概略
第1章 生活基盤および伝統的経済の成り立ち―外部社会との接点を探る―
第1節 ドミニ集落の地理と気候条件
第2節 ドミニ集落形成の経緯
第3節 デモグラフィーと政治機構の特徴
第4節 農耕および狩猟・採集生活の特徴
第5節 伝統的経済の成り立ち
第2章 ドミニ集落における生活水準の現状とニーズ―近代化対応に関する検証―
第1節 貨幣経済の位置付け
第2節 集落住民の今日的ニーズ
第3節 ドミニ集落における収入源と経済格差
第4節 集落住民の目指す生活スタイル
第3章 開発援助の歴史とその評価―外部介入とその評価―
第1節 外部介入としての開発援助の流れ
第2節 ドミニ集落における開発援助の歴史的展開
第3節 近年の開発援助の類型(1994-1998)
第4節 住民による開発援助の評価
第5節 開発援助の諸
内容説明
本書では、まず、被援助者の視点を規定する「背景」を叙述することに重点をおいた。特に先行研究が皆無であるドミニ集落の場合には、被援助者社会に固有である社会的、経済的、歴史的背景、そして自然条件を明らかにし、それらの要因を分析・整理しなければ、開発援助研究も始まらないからである。その上で、開発援助の「失敗例」を取り上げ、失敗の要因について被援助者の視点を中心に考察を加え、開発パラダイムの再考を行った。
目次
第1章 生活基盤および伝統的経済の成り立ち―外部社会との接点を探る
第2章 ドミニ集落における生活水準の現状とニーズ―近代化対応に関する検証
第3章 開発援助の歴史とその評価―外部介入とその評価
第4章 労働・所有・分配価値観と開発援助―ソーブ族の外来資源分配規範
第5章 先住民社会における開発援助の課題―開発アプローチの再考と課題の提示
著者等紹介
川合信司[カワイシンジ]
1961年生まれ。1984‐1985年テネシー州立大学マーチン校へ交換留学。1985年弘前大学農学部園芸学部卒業。1987年オレゴン州立大学園芸学部修士課程修了。1987‐1988ニュージーランド各地の果樹園において自己研修。1988‐1990年オーストラリアエキゾチック・フルーツ・インターナショナル(株)主任コンサルタント。1991‐1992年カリフォルニア州立大学付属カーニー農事試験場研究助手。1992‐1996年北米NGOメノナイト・セントラル・コミッティーボランティア(インドネシア イリアン・ジャヤ州チェンドラワシ大学農学部非常勤講師および農村開発コーディネーター)。1998‐1999年インドネシアボゴール農業大学大学院研究生。2000年岩手大学大学院連合農学研究科博士課程修了。2001年‐秋田県立大学生物資源科学部生物環境科学科地域計画学講座流動研究員
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