出版社内容情報
フェミニズム労働論の視座から戦後日本の労働におけるジェンダー分析を試みる。日本の労働におけるジェンダー的特徴を規定する要因は何か,市場労働以外の領域にも目配りしながら斬新な問題意識を提示する。
第1部 総 論
第1章 新しい労働分析概念と社会システムの再構築[竹中恵美子]
第2章 日本経済の不安定化とジェンダー構造[宇仁宏幸]
第2部 「雇用の女性化」とジェンダー構造
第3章 戦後日本の労働組合における家族賃金の形成と展開[山田和代]
第4章 戦後日本の労働市場政策の展開とジェンダー[井上信宏]
第5章 経済のサービス化と労使関係[北明美]
第6章 大競争時代の日本の女性パート労働[三山雅子]
第7章 「ワークシェアリング」とジェンダー[柚木理子]
第3部 農業,ボランタリー・セクターのジェンダー構造
第8章 農村労働市場と農家女性労働力[吉田義明]
第9章 ケア・ワークとボランタリーセクター[服部良子]
内容説明
本書は、フェミニズム労働論の立場にたって、戦後日本の労働のジェンダー分析を行ったものである。第2部以下の各論では、日本の労働におけるジェンダー的特質を規定している要因は何か、を明らかにすることに焦点をおいている。
目次
第1部 総論(新しい労働分析概念と社会システムの再構築―労働におけるジェンダー・アプローチの現段階;日本経済の不安定化とジェンダー構造)
第2部 「雇用の女性化」とジェンダー構造(戦後日本の労働組合における家族賃金の形成と展開;戦後日本の労働市場政策の展開とジェンダー;経済のサービス化と労使関係―ビルメンテナンス業の中のジェンダー構造;大競争時代の日本の女性パート労働―国際比較の視点から;「ワークシェアリング」とジェンダー―ドイツにおける1970年代終わりの議論を中心に)
第3部 農業、ボランタリー・セクターのジェンダー構造(農村労働市場と農家女性労働力―「いえ」の労働と自分の労働;ケア・ワークとボランタリー・セクター―家事労働とアンペイド・ワークの視点から)
著者等紹介
竹中恵美子[タケナカエミコ]
龍谷大学経済学部教授、大阪市立大学名誉教授。経済学博士。著書に「現代労働市場の理論」(’69年,増補版,’79年)「婦人の賃金と福祉」(’77年)「私の女性論」(’85年)「戦後女子労働史論」(’89年)「女性論のフロンティア」(’95年)、編著に「現代の婦人問題」(’72年)「女子労働論」(’83年)「新・女子労働論」(’91年)「グローバル時代の労働と生活」(’93年)「労働力の女性化」(’96年,共編)「個人と共同体の社会科学」(’96年,共編)「共倒れから共立ち社会へ」(’98年,監修)ほか
久場嬉子[クバヨシコ]
東京学芸大学教育学部教授。共著に「世界経済論」(’95年)、共編に「労働力の女性化」(’94年)
宇仁宏幸[ウニヒロユキ]
京都大学大学院経済学研究科教授。著書に「構造変化と資本蓄積」(’98年)、共著に「21世紀入門―現代世界の転換にむかって」(’99年)ほか
山田和代[ヤマダカズヨ]
滋賀大学経済学部講師
井上信宏[イノウエノブヒロ]
信州大学経済学部講師。共著に「新版 社会政策を学ぶ人のために」(2000年)ほか
北明美[キタアケミ]
大月市立大月短期大学教員
三山雅子[ミツヤママサコ]
同志社大学文学部助教授
柚木理子[ユキマサコ]
川村学園女子大学人間文化学部講師
吉田義明[ヨシダヨシアキ]
千葉大学園芸学部講師。著書に「日本型低賃金の基礎構造」(’95年)
服部良子[ハットリリョウコ]
大阪市立大学助教授
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