出版社内容情報
赤松啓介の民俗学のバックボーンといえる思想的いとなみが吐露された多彩な評論を所収。戦後発表された回想・証言は,民俗学史,社会運動史の貴重な資料。
第1部 時事論
地方文化の危機/社会科と郷土研究/「勤評」の歴史的意義/「日本のあけぼの」論争/科学者と政治との対決/不安への展望/歴史の暗い流れ/乙卯年頭の所感/座辺漫話/危機における科学
第2部 文化財保護運動
埴輪の破片/ああ,私の夢が実現された/国民的科学への考古学の歩み/焼山群集墳の破壊を訴える/焼山群集墳発掘に寄せて/考古学に夢と光とを/建設と破壊
第3部 回想
『東洋古代史講話』の頃/はてしなき泥濘の道/“柳田学”の発展者を失う/反体制文化の自壊/わが心の自叙伝/和島誠一氏との40年/読書案内/郷土研究と『歴史科学』/地域研究・批判/田舎派『唯研』の情況/唯物論研究会の思い出/唯物論研究会と地方の活動
第4部 「現代民話考」投稿
汽車に化けて人をだます/死んだ時出た火の玉/死者からの贈り物/千人針/人間の徴用/空襲下の強姦/空襲のあとでとる/空襲のあとで/火の玉/幽霊/神様の出征/空襲のあとで食べる
第5部 新聞投稿
お手伝ひ/信用されぬ証明書/“乗客よりガラス”/息子の革新運動に私の母も苦しんだ/取材の先陣争いに思う/行儀をわきまえよアマ・カメラマン/削り取られた石仏
内容説明
本選集には、これまで一般的に知られていなかった論考も含め、赤松啓介の民俗学が網羅されている。編集にあたっては、専門の研究者だけではなく、初学者にも理解しやすくするために、各巻テーマごとに編集し、論考はその中で編年順に配列している。また、各巻ひとつひとつの論考について詳細な解題を付し、民俗学史の中での学説的な位置づけも行なっている。
目次
第1部 時事論
第2部 文化財保護運動
第3部 回想
第4部 「現代民話考」投稿
第5部 新聞投稿
第6部 反戦回想録