出版社内容情報
複数の言語を母語として育つ可能性を秘めた子どもたちの多くが,その豊かな環境を制限されようとしている。閉じかかった言語環境を教育を通じて,再び豊かなものとする可能性を多面的に考察する。
第一章 日本の学校におけるバイリンガル教育の展開[末藤美津子]
第二章 様似アイヌ語教育の現状と課題―アイヌ語学習運動と学校教育を展望したうえで[小松和弘]
第三章 在日朝鮮人の子どもの日本語による教育からの乗り越え[宋英子]
第四章 新しい外国人・ニューカマーの子どもの日本語・母語指導について―公立高等学校での受け入れを中心に[榎井緑]
第五章 地域社会における年少者への日本語教育の現状と課題[野山広]
第六章 沖縄のアメラジアン―教育保障運動が示唆していること[野入直美]
第七章 「母語教育」実施への模索―コンピュータ利用の遠隔指導[山本雅代]
内容説明
今、日本には、母語との接触が極端に制限され、これを失う危機に直面している子どもたち、帰属する民族固有の言語をもちながら、これを継承していくことを可能にする言語環境が得られない子どもたち、複数の言語を母語としながら、その維持・伸長に困難を覚えている子どもたちが少なからずいます。また過去にもそうした経験をした子どもたちがいました。本書は、これまでほとんど衆目を集めることがなかったこうした子どもたちの言語生活や言語環境の実態を明らかにし、閉じてしまった、あるいは閉じかかっている言語環境を、教育を通じて、再び豊かなものにすることができないかを考察するものです。
目次
第1章 日本の学校におけるバイリンガル教育の展開
第2章 様似アイヌ語教室の現状と課題―アイヌ語学習運動と学校教育を展望したうえで
第3章 在日朝鮮人の子どもの日本語による教育からの乗り越え
第4章 新しい外国人・ニューカマーの子どもの日本語・母語指導について―公立高等学校での受け入れを中心に
第5章 地域社会における年少者への日本語教育の現状と課題
第6章 沖縄のアメラジアン―教育権保障運動が示唆していること
第7章 「母語教育」実施への模索―コンピュータ利用の遠隔指導