明石ブックレット<br> 超過滞在外国人と在留特別許可―岐路に立つ日本の出入国管理政策

明石ブックレット
超過滞在外国人と在留特別許可―岐路に立つ日本の出入国管理政策

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  • サイズ A5判/ページ数 112p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784750312569
  • NDC分類 329.94
  • Cコード C0336

出版社内容情報

最悪“退去強制処分”を覚悟して“在留特別許可”を求め東京入管に集団出頭した21名の外国人。支援活動の中,子どもの教育保障,世界各国の事例等を通し「許可の根拠」を摘出,入管行政の転換を迫る。

序論 超過滞在外国人の定住化と在留特別許可[駒井洋]
子どもたちの作文より[筑波君枝]
1 在留特別許可要求の根拠――戦後日本と諸外国の経験から
 1 「出稼ぎ目的」の「密航」者と在留特別許可[高鮮徽]
 2 フランスにおける非正規滞在者とアムネスティ[稲葉奈々子]
 3 アメリカの移民規制とアムネスティ[小井土彰宏]
 4 在留特別許可の法的根拠[近藤敦]
2 正規化への道――岐路に立つ日本の外国人政策
 5 アムネスティの類型化に向けて[梶田孝道]
 6 「取り残された超過滞在者」を産み出さないために[樋口直人]
 7 在留特別許可と子どもの教育[佐久間孝正]
 8 日本国民のアイデンティティをどこに求めるか[伊藤るり]
3 研究者グループの運動――ネットワークと問題点
 9 研究者グループの運動の経過と意義[渡戸一郎]
 10 署名運動とインターネット[山脇啓造]
 11 「研究者」と政治的問題[定松文]
 12 在留特別許可要求の落とし穴[山本薫子]

内容説明

1999年9月1日、子ども8名を含む超過滞在外国人21名が法務省に在留特別許可を求めて集団出頭した。この大きなリスクをともなう行動に対して、私たち外国人・移民問題の研究者グループは、国内外の研究者に呼びかけて、これらの人びとの正規化を求める署名運動を展開し、11月、法務大臣に「超過滞在外国人に『在留特別許可』を求める研究者の共同声明」を提出した。また12月には、今回の出頭者たちの支援に取り組むNGOである、APSF(Asian People’s Friendship Society)の主催による国際シンポジウム「岐路に立つ外国人政策」に臨んだ。本書は、今回の署名運動の呼びかけ人を中心に、シンポジウムでの報告と運動の全体像をまとめたものである。

目次

序論 超過滞在外国人の定住化と在留特別許可
1 在留特別許可要求の根拠―戦後日本と諸外国の経験から(「出稼ぎ目的」の「密航」者と在留特別許可―済州島人を事例に;フランスにおける非正規滞在者とアムネスティ―「サンパピエの運動」と市民社会からの応答;アメリカの移民規制とアムネスティ―日本の出入国管理政策との連関の中で;在留特別許可の法的根拠―憲法・国際人権法上の権利と「国際基準」)
2 正規化への道―岐路に立つ日本の外国人政策(アムネスティの類型化に向けて―何がアムネスティを可能にするのか;「取り残された超過滞在者」を産み出さないために―居住資格に基づく権利の拡充を;在留特別許可と子どもの教育―「子どもの権利条約」の視点から;日本国民のアイデンティティをどこに求めるか―超過滞在外国人の問題提起に寄せて)
3 研究者グループの運動―ネットワークと問題点(研究者グループの運動の経過と意義―「逆風」のなかでのNGOとの連携;署名運動とインターネット―「共同声明」の作成から提出まで;「研究者」と政治的問題―「外国人問題」の政治性の顕在化;在留特別許可要求の落とし穴―「共同声明」に関する問題提起)