出版社内容情報
自らの望む性と実際の性別との越えられない壁に悩み,苦しむ人びと。日本で初めて公の性転換手術に道を開いた著者が,手術に至る道のりを明かすとともに,性のあり方,社会のあり方について訴える。
第1部 性転換手術までの道のり
一 事の発端とその背景
二 性同一性障害とはなにか
三 倫理委員会はどう考えたか
四 倫理委員会の答申
五 倫理委員会答申後の動き―日本精神神経学会答申と提言
六 本邦初の公の性転換手術にいたる道のり
第2部 性同一性障害をめぐる話題と性のあり方
一 性同一性障害を持つ人がかかえる問題と今後の課題
二 性の多様性と「女らしさ」「男らしさ」
三 性のあり方をめぐる話題―歴史と補遺
内容説明
なぜ倫理委員会は性の転換手術を認めたのか?その経過を委員長自らが明かしながら性とは何か、社会はどうあるべきかを考える。
目次
第1部 性転換手術までの道のり(事の発端とその背景;性同一性障害とはなにか;倫理委員会はどう考えたか;倫理委員会の答申;倫理委員会答申後の動き―日本精神神経学会答申と提言;本邦初の公の性転換手術にいたる道のり)
第2部 性同一性障害をめぐる話題と性のあり方(性同一性障害を持つ人がかかえる問題と今後の課題;性の多様性と「女らしさ」「男らしさ」;性のあり方をめぐる話題―歴史と補遺)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
玲
2
10年ほど前に書かれたものだけど、かなりの良書。曖昧に見えた“ゲイ”の世界を、良心と理性をもって線引きし、障害disorderとして治療の対象と認められる根拠を示し、同時に不可逆的な外科的治療に対しては慎重な猶予期間の設置を義務化、手術の効果に関しても繊細さをもって対応する気概が見える。2010/09/22
404
0
性同一性障害に対する性別最適号手術の答申を発表した埼玉医科大学倫理委員会に所属していた筆者が、当時のことを周辺知識と共に書いた本。考え方の指針も一緒に書いてあり、大変分かりやすい良書でないかと。性同一性障害だけでなく、性について知りたい場合にもいいと思う。2013/11/06