出版社内容情報
部落問題の解決を「人権」一般に希釈する動きが強まる中,その独自の性格を把握することの重要性をわかりやすく解説。だからこそ見えてくるさまざまな差別に共通するしくみや本質を抽出した必読の書。
一 人間のありようと差別
二 社会的条件と人間
三 差別にかかわる人間の意識構造
四 社会のしくみ,針の穴から天のぞく
五 グローバル資本主義の矛盾と差別
内容説明
部落差別は形式上は「性」の相違によるような識別は困難である。障害による身体機能のハンディで識別するようなものでもない。その意味ではインビジブル(見えにくい)なものである。それにもかかわらず、この差別は権力の政策によって体系化され、すでに数百年の間、支配構造として機能しつづけている。見えにくいものを見抜く力量がこの部落解放運動に芽生えている。それは、見えやすいものを見抜こうとする場合より、さらに成功の可能性をもっている。差別のしくみは相互に関連しあって、権力の立場を安泰なものにしていることを考えると、どうしてもそこを衝く必要がある。広く人びとに本質を見つめて戴きたいと思う。
目次
1 人間のありようと差別
2 社会的条件と人間
3 差別にかかわる人間の意識構造
4 社会のしくみ、針の穴から天のぞく
5 グローバル資本主義の矛盾と差別