出版社内容情報
社会的偏見や差別の中にあって,「障害」と直面しながら,自立した生活・職業をかちとってきた「盲人」の人びと。彼らの歩んで来た歴史をたどりながら,視覚障害者の現状と今後を展望する労作。
推薦のことば[日本点字図書館理事長 本間一夫]
第1部 中世・近世編
第2部 明治・大正・昭和編
第3部 昭和の激動編
目次
第1部 中世・近世編(生活自立への闘い―『今昔物語』に現れた七人の盲人を中心に;平家語り専業者への闘い―『平家物語』と盲人;文化伝播者としての闘い―『看聞御記』に現れた三二人の盲人を中心に ほか)
第2部 明治・大正・昭和編(キリスト教伝道者たちの闘い;伝統芸能継承者たちの闘い;政治家・社会事業家の闘い ほか)
第3部 昭和の激動編(盲人福祉の黎明期;戦争と福祉事業の苦闘;盲教育の進展と失明傷痍軍人の教育 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ki
1
白内障、緑内障その他の様々な原因で我々は目が見えなくなる可能性をもつ。 視覚障害者が生きやすい社会は高齢者にも生きやすい社会につながる、生きている限り皆高齢者になるからして、高齢者にも生きやすい社会は人にとって生きやすい社会につながる。 視覚障害者は未来を生きているのだと感じる。2022/11/02
とまる
1
身体的、もしくは身分的ハンデは時に特権のように語られてきた。しかし現代ではそこに触れることはタブーであるかのように扱われ、ハンデを持たない人と同じように生きられることが目指されているように感じる。 どちらの時代が差別的かと簡単に言うことはできない気がする。 限られた職業を専売特許のように当然の生業にするのか、誰もがなる可能性のある職業につく方法を開拓していくのか。 権力の歴史を教科書で追っただけでは知ることのできない、新しい日本史。偏った視点からいつも見ているものを見ると、普段見ているものが違う風に見え2012/10/11