出版社内容情報
フィリピンの子供たちは「貧困・無力さ・病気・文盲…」から救われねばならないような状態にいつも置かれている。フィリピン総人口の約40%しめる児童のうち,約600万人の児童はなんらかの労働を強いられている。フィリピン社会の構造的貧困が児童の労働にしわよせしている現実を理論的に解明,子供たちが良い暮らしを出来るための国とはなにかを模索する意欲作。著者は,フィリピン国立大学(UP)の女性社会学者。
序 章 本書のねらいと理論的枠組み
第一部 子供たちの素顔
第一章 インフォーマル・セクター◇微視的背景
第二章 児童労働の舞台◇クバオ
第三章 ジープニーを掃除する少年
第四章 くず拾いの子供
第二部 子供たちはなぜ働くのか
第一章 児童労働の微視的原因
第二章 児童労働に巻き込まれる過程
第三章 児童労働の影響
第三部 従属的なフィリピン経済
第一章 外国援助への大きい依存
第二章 不安定な国内経済
第三章 不平等の文化
結 論 児童労働対策立法の分析/各機関の児童労働対策プログラムの分析/結語