出版社内容情報
石黒敬七氏によって1957年に刊行された写真集の完全復刻版。写真の誕生は文献史料だけではない歴史研究のための史料となった。幕末日本に写真が持ち込まれ各地の生活・風俗、人びとの暮らしが記録された。当時を復元するための貴重な写真資料集。
第一章 写真伝来の序曲
第二章 写真師の誕生
1 下岡蓮杖伝
2 上野彦馬伝
第三章 写壇黎明余聞
解説・幕末写真史補遺[小沢健志]
あとがき[石黒敬章]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
12
1960年刊本の再編集版。古い本は3分冊であり、国会図書館から本書とほぼ同じ内容の物がDLできる。本書は大判で重いが、それでも紙の本の方が読み易い。戦前に各国を回って柔道教授をした石黒敬七は、戦後とんち教室等でユーモア溢れる知的タレントぶりを発揮したが、古写真収集家としても知られる。本書は氏がパリ他で集めた物を掲示する他、氏一流の洒脱な筆で我国等の写真発達史を述べる。写真を撮られるや魂を損なうと信じられた時代、化学書籍出版迄至った正攻法の上野彦馬や娑婆気に溢れた商法の下岡蓮杖等初期の写真師の記述が楽しい。2024/06/02
こおり
5
すごい。月代を剃って髷を結い、二本差しにした武士の写真がこんなにあったんだ。やっぱり時代劇とは違う。迫力が違うな。女性の写真は遊女が多いけど、武家の女性もあった。男性は裃か羽織に袴姿で、現在の着方とあまり違いを感じないけど、女性の着方とはずいぶん違う。全体的にだらりとして帯も適当に巻いて後ろで縛った、みたいな。まあそりゃそうだよね。毎日着てたんだもんね。あと、磔とさらし首の写真にはおったまげた…。2013/06/01
baアタマ
2
昭和32年版の復刻版。タイトル通りの写真集。落語でしか知らない花魁やら鬱蒼とした東海道、遣欧使節、明治天皇が東京に移った際周りも移ったけどその牛車(ホントに牛車で京→東京したんかい?!)アバタもえくぼの痘痕面、アイヌの人。本当に一目瞭然。巻末に(私は読んでませんが)興味のあるひとのための詳細な「写真伝来史」付。趣味人らしい石黒旦那の他の著書を読んでみたくなりました。石黒敬七さんはとんち教室のひとだとカツオくん(磯野家の)が言ってたけれど、本職は柔道家だったのにも驚きました。 2014/06/04
及川まゆみ
1
とにかく昔の写真が好きなので。2013/12/18
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