丹生の研究 歴史地理学から見た日本の水銀

丹生の研究 歴史地理学から見た日本の水銀

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

六点

95
ちくま学芸文庫に収められた同著者の『古代の朱https://onl.sc/U7D4gyw』 が読易く入手性が良い。簡潔なダイジェストですしね。まず、最も著名な「丹生」の神の地、紀伊丹生が著者の長い旅の出発点である。近辺の「ニウ」が含まれる名称の神社を訪問し、周辺土壌から表土を採取し、微量元素分析に掛ける。これを昭和43年度末まで300箇所以上、北は秋田、南では串間まで朱の産地とその信仰を明らかにしている。「パワースポット」なんて単語など必要ない、「学問の力」を感じさせる本である。2022/04/20

イツシノコヲリ

4
昨年の4月頭に大学の書庫から引っ張り出して読んだ。丹生川上大社の比定は、ちくま文庫の概説書の方では記述が少なく、よく分からなかったが、本書は専門書でありながら読みやすく丁寧に解説してある。結論は丹生川上大社下社であったと記憶しており、近年出された京阪奈新書では神像などの宝物から丹生川上大社中社であったという推定と異なる。水銀の微量元素分析から鉱脈を推定する妥当性については、もうちょっと他の文献にあたって調べてみたいと思う。非常に面白い書籍であるので、手に届く環境にある人はぜひ読んでほしい。2025/02/05

Ami

2
関東の山間部にある私の故郷は、町名が弘法大師伝説に由来し、町内には最澄法師の建てたお寺があります。不思議な土地柄に子供の頃から興味を惹かれ、学生時代は郷土史を読むのが大好きでした。あれからン十年、他にも思うところがありようやく巡り合ったのがこの本です。故郷に彼らが欲していたものが存在していたとは。この研究の目的自体が古代日本を探求するロマンであり、書き上げた著者を心より尊敬します。いつか地質学や古代の宗教学を学びたくなりました。

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