出版社内容情報
中国においてボーイスカウトは「童子軍」と呼ばれ、中華民国期に学校の内外で広く推進されていた。イギリスでロバート・ベーデン‐パウエルによって創立されたスカウト運動の理念を受け継ぎ、中国国内の青少年教育に取り入れ国際的で非軍事的な活動に力を入れていた童子軍運動であったが、戦争の影響によってやがて変転を余儀なくされる――。清末上海租界の外国人による少年組織から民間教育者による児童本位の活動、そして、戦時下の銃後動員まで教育と訓練の間でゆれるその足跡を、豊富な史料にもとづき克明にたどる。
【目次】
序 章 研究の主題
第Ⅰ部 北京政府期における「童子軍」運動の成立と展開
第1章 上海租界におけるボーイスカウト運動の誕生――「西童軍」(外国人ボーイスカウト)について
第2章 上海租界における「華童軍」(中国人ボーイスカウト)運動の成立
第3章 中国人「童子軍」運動の展開(1)――上海租界から江蘇省へ
第4章 中国人「童子軍」運動の展開(2)――童子軍運動の全国的展開
第5章 世界スカウト運動の舞台へ――1920年代における上海・江蘇童子軍の国際交流活動
第Ⅱ部 国民政府期における「童子軍」運動――その展開の諸相
第6章 国民党による童子軍改組――中央管轄機関の設立と運動趣旨の変遷
第7章 学校教育における「童子軍訓練」の浸透過程
第8章 戦時下における童子軍動員――童子軍理念の変転
終 章 研究の総括と今後の課題
内容説明
教育と訓練の間でゆれる中国ボーイスカウト運動。中国において童子軍と呼ばれたボーイスカウト。彼らは世界的なスカウト運動の広がりの中にあった。清末上海租界の外国人による少年組織から、民間教育者による児童本位の活動、そして、戦時下の銃後動員まで、豊富な史料にもとづきその足跡を克明にたどる。
目次
序章 研究の主題
第1部 北京政府期における「童子軍」運動の成立と展開(上海租界におけるボーイスカウト運動の誕生 「西童軍」(外国人ボーイスカウト)について
上海租界における「華童軍」(中国人ボーイスカウト)運動の成立
中国人「童子軍」運動の展開(1) 上海租界から江蘇省へ
中国人「童子軍」運動の展開(2) 童子軍運動の全国的展開
世界スカウト運動の舞台へ 1920年代における上海・江蘇童子軍の国際交流活動)
第2部 国民政府期における「童子軍」運動 その展開の諸相(国民党による童子軍改組 中央管轄機関の設立と運動趣旨の変遷;学校教育における「童子軍訓練」の浸透過程;戦時下における童子軍動員 童子軍理念の変転)
終章 研究の総括と今後の課題
著者等紹介
孫佳茹[ソンカジョ]
千葉大学看護学研究院附属専門職連携教育研究センター特任講師(常勤)。中国河南省生まれ。2003年来日。早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。早稲田大学教育・総合科学学術院助手、中央大学文学部兼任講師などを経て現職。研究領域:青少年団体史、社会教育、日中比較、専門職連携、ライフヒストリー。社会活動:2010年度から2014年度まで公益財団法人国際理解支援協会「留学生が先生」プログラムの講師として、東京都中小学校を中心に国際理解について講演。2014年6月「優秀講師賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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