出版社内容情報
古代中国において、「刑徳」は政治・時令・災害と関わる概念だったが陰陽学説を取り入れ、やがて陰陽・術数の概念を持つようになり吉凶を示すものとなった。移動形態・移動周期に基づいた占いに用いられた「刑徳」には、主に北斗七星の動きに連動した「刑徳七舎」と、太陰の動きに連動した「二十歳刑徳(刑徳大遊)」、日(六日)毎の移動である「刑徳小遊」の理論がみられる。それらの理論の変遷を解明する、刑徳理論の完全版。自然科学的理論である陰陽と五行に基づいた占術が、空間表象においてどのように考えられていたのか。古代中国人の思想に迫る。
【目次】
序 章
第一章 『淮南子』に至るまでの刑・徳の変遷
第二章 出土資料に見える「刑徳七舎」とその運行理論の相異
第三章 『淮南子』天文訓「二十歳刑徳」における刑・徳の移動
第四章 馬王堆漢墓帛書『刑徳』篇の「刑徳大遊」
第五章 馬王堆漢墓帛書『刑徳』乙篇の「刑徳小遊」
第六章 馬王堆漢墓帛書に見える「刑徳小遊」と三合説
第七章 馬王堆漢墓帛書『刑徳』篇の「刑徳小遊」と上朔
第八章 放馬灘秦簡に見える刑徳理論と年毎の移動理論の変遷
第九章 馬王堆漢墓帛書と銀雀山漢墓竹簡に見える風占の比較
終 章 刑徳理論の変遷
-
- 和書
- 鉄道と彼女