出版社内容情報
早稲田大学出身のジャーナリスト・政治家、中野正剛(1886-1943)。筋金入りのリベラリストとして知られながら、ヒトラーやナチスに傾倒。その一方で、日本の軍部独裁を厳しく批判し、東条英機内閣の転覆容疑で逮捕された後、割腹自殺を遂げた。
大衆とともにあろうとし続けた稀代の政治家の足跡と、一見矛盾とも見える数々の行動の背景にあった政治理念を、中野自身の著作や緒方竹虎など知人の証言から読み解く。戦前の日本政治史研究に一石を投じる書。
内容説明
かつて、既成政党の度し難い堕落と腐敗が軍部独裁に道を開いたとき、これに敢然と立ち向かった日本人がいた。今日、この国の政治の貧困をいう者は、まずこの史実を知らなければならない。
目次
第1章 ヒトラー礼讃の意味(「日本のヒットラー」;ベルサイユ体制批判 ほか)
第2章 「先輩凌轢」―犬養との訣別(「木堂屈すること勿れ」;外交調査会批判 ほか)
第3章 東條弾劾(戦局の悪化;「大政翼賛」の否定 ほか)
第4章 対支政策論―日中友好の模索(「支那保全論」;「満洲起義」 ほか)
第5章 もう一つの目眩まし―『人間中野正剛』は「友情の書」か(明白な事実誤認;「メリー・ゴー・ラウンド」 ほか)
著者等紹介
室潔[ムロキヨシ]
早稲田大学名誉教授。1940年生まれ。1963年早稲田大学第一文学部史学科卒業後、同大学大学院文学研究科に学ぶ。1970年~1972年DAAD奨学生としてドイツ連邦共和国ハイデルベルク大学に留学。1978年文学博士(早稲田大学)の学位を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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