出版社内容情報
グローバル化が進み、多種多様な国民国家がみられる今日。しかし、その理念と現実の乖離は甚だしい。「国民」の創出において、先住民や少数民族を抑圧してきた歴史や、尽きることのない移民・難民問題。「再国民化」では、排外主義的な言説や暴力を伴うことも少なくない。本号では、「国民」であることと平和の享受との関係の問い直しを迫る。
内容説明
「国民」の創出において先住民や少数民族を抑圧してきた歴史。尽きることのない移民・難民問題。「再国民化」が生む暴力。「国民」であることと平和の享受との関係の問い直しを迫る。
目次
巻頭言 今、平和にとって「国民」とは何か―コロナ禍のなかで平和を考える
依頼論文(国民の二層化と「移民・難民問題」の政治的構築―ヨーロッパ2015~16年“危機”の一考察;日本社会の多文化化の現状から、日本の「国民」を考える;国民国家への回帰現象について考える―「脱国民国家化」から「再国民化」へ)
投稿論文(民族の自決と国際平和の相克;「加害者の政治学」と国内政治による規範の制度化―ベトナム戦争時の民間人虐殺と韓国の対越政策)
書評(「地域」と「市民」から読んだ平和学の3冊;現代国際社会における刑事裁判の形;おぞましい学知からの解放を求めて)