出版社内容情報
2004年12月のスマトラ沖地震・インド洋津波をきっかけに設立された国際防災ボランティア団体「国境なき技師団」。土木学会会長の濱田政則・早稲田大学教授(当時)らが中心になり設立した技師団は、防災教育や耐震技術を通じて人々の命を救う。医療技術を通じて命を救う「国境なき医師団」と同じように、独立・中立・公平なNGOだ。インドネシア、バングラデシュ、パキスタン、中国で被災地の復興を支援する一方、東日本大震災の被災自治体へ「シニア技術者」を独自に派遣してきた。技師団の活動に触発された学生でつくる「早大防災教育支援会」「京都大学防災教育の会」の活動も合わせて本書は取り上げ、国際防災ボランティア団体の可能性を探る。
目次
第1章 「国境なき技師団」設立(人間の復興を支援;スマトラの復旧と復興のために ほか)
第2章 防災技術のアジア移転(ニアス島で地盤調査;スマトラ島の大学と協力 ほか)
第3章 立ち上がる学生たち(子供たちに防災教育を;ルマンダ君の経験)
第4章 東日本大震災とシニア技術者(社会貢献こそ生きがい;大船渡市長との対談 シニア技術者派遣事業の展望)
著者等紹介
濱田政則[ハマダマサノリ]
「国境なき技師団」会長。前理事長。1943年生まれ、神奈川県出身。早稲田大学理工学部土木工学科卒業。東京大学大学院工学研究科修士課程修了。大成建設、東海大学教授を経て、早稲田大学理工学部社会環境工学科教授。専門は地震防災工学。現在、早稲田大学名誉教授。土木学会会長、日本地震工学会会長、地域安全学会会長、日本学術会議会員を歴任
小長井一男[コナガイカズオ]
「国境なき技師団」元理事長。現在、理事。東京大学名誉教授。博士(工学)。1952年生まれ、静岡県出身。東京大学工学部土木工学科卒業。東京生学生産技術研究所の助教授と教授、横浜国立大学都市イノベーション研究院教授を歴任した。専門は地震工学
清野純史[キヨノジュンジ]
「国境なき技師団」理事。京都大学教授。1957年生まれ、埼玉県出身。京都大学大学院工学研究科修士課程修了。博士(工学)。専門は地震工学。山口大学工学部助教授、京都大学工学研究科准教授を経て2009年から現職
鈴木智治[スズキトモジ]
元「国境なき技師団」インドネシア支部長(理事)。1946年生まれ。2020年5月逝去。元飛島建設インドネシア事務所所長
三輪滋[ミワシゲル]
「国境なき技師団」委員。1957年生まれ、京都府出身。京都大学工学部交通土木工学科を卒業後、飛島建設に入社。執行役員・技術研究所長、執行役員(技術担当)を歴任。博士(工学)。専門は地盤地震工学。2020年4月から同社顧問
鈴木乃里子[スズキノリコ]
「国境なき技師団」サポーター。1971年生まれ。鈴木智治氏の長女で、同技師団がインドネシアで実施した災害調査や防災教育でインドネシア語の通訳業務を担当。インドネシア共和国投資調整庁日本事務所スタッフ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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