出版社内容情報
【「あとがき」より】
言語、科学、文化、宗教等の文明を生物の中で人間だけが有しているのは、人間が最も優れた生物である証ではない。最も愚かな生物であるが故に、人間だけに言語、科学、文化、宗教等の文明が授けられ、その愚かさの源である欲を制することが課されたと受け止めるべきであろう。
しかし、現実には、その言語で罵り合い、科学で殺戮兵器をつくり、芸術作品を奪い合い、宗教ですら争うことがある。人間はかくも愚かな存在、「賢い愚か者」である。「賢い愚か者」の未来は、どこに向かっているのだろうか。
内容説明
「正しい」とは何か。「正義」とは何か。人間は不確かな「正義」によって「対立の迷路」に迷い込み、根拠のない「正論」「極論」「信念論」によって「同調の悲劇」に陥る。迷路の「出口」はあるのか。悲劇を回避する「手段」はあるのか。
目次
第1章 「正しい」とは何か
第2章 「正義」とは何か
第3章 歴史の真実
第4章 対立と同調
第5章 「中道」のすすめ
第6章 科学の功罪
第7章 人間の宿命
著者等紹介
大塚耕平[オオツカコウヘイ]
1959年、名古屋市生まれ。愛知県立旭丘高校、早稲田大学政治経済学部を経て、1983年、日本銀行入行。在職中に早稲田大学大学院社会科学研究科博士課程修了(博士(学術)、専門はマクロ経済学)。2000年、同行退職。2001年、参議院議員に初当選。内閣府副大臣、厚生労働副大臣、中央大学大学院公共政策研究科客員教授、早稲田大学総合研究機構客員教授(現職)、藤田保健衛生大学医学部客員教授(同)等を務める。日本財政学会、地方財政学会、公共政策学会、公共選択学会に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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