出版社内容情報
日本統治時代、立憲主義に基づき英米の植民政策を応用して台湾人による自律的な地方自治を目指した人々がいた。
早稲田大学で学んだ楊肇嘉を中心に、植民地時代の台湾人による自治運動がどのように形成されたのかに注目し、日本の植民地施策研究に新たな視点を与える。
内容説明
楊肇嘉とは何者か?植民地時代、台湾人による台湾のための自治を目指した人々がいた。
目次
第1章 旧慣と植民地統治の結合(雲林事件と旧慣自治「保甲」の利用;「旧慣」利用から同化政策への変化;一九一〇年代の安定化と同化主義の再検討)
第2章 戦間期における植民政策の変容(「地方政治家」楊肇嘉の覚醒;植民地人による植民政策の研究)
第3章 統治者による漸進的改革とその限界(石塚英蔵総督の経験的植民政策;郡警分離の構想と挫折;霧社事件から見る政策意図と効果の捻じれ)
第4章 台湾人による植民政策学の応用(台湾地方自治連盟による植民政策学の応用;台湾地方自治と自律的立憲主義;台湾自治を制約する満州問題)
結論 幻の台湾自治
著者等紹介
野口真広[ノグチマサヒロ]
1974年生まれ。早稲田大学地域・地域間研究機構次席研究員。早稲田大学大学院・社会科学研究科・博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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