目次
なぜいま『精神現象学』を読み直すべきなのか―「認識主義」から「存在知」の立場への哲学の転換のために
第1篇 「意識の経験の学」の構想と展開―ヘーゲルによる「思考と存在との同一性」の追求(「意識の経験の学」の正当性とその構想の解明;「無限性」による存在学の基礎付け―対象意識から自己意識への還帰の意義;自己意識の構造と「意識経験学」から「精神の現象学」への変容;理性論における無限性の論理の展開―「無限判断」から推理への転換による「観察者の立場」の克服)
第2篇 「精神の現象学」としての意識経験学の完成(「精神」論―近代社会システムの意識経験学;「絶対知」―「相互承認」によって意識と対象との対立を解決する試みとその帰結;ヘーゲル哲学の原理の完成―「弁証法」と「絶対精神」の論理)
第3篇 『精神現象学』とヘーゲル弁証法の解明と諸解釈(最終考察―ヘーゲルの「精神の弁証法」はなぜ社会認識の方法論として破綻したか;『精神現象学』はどのように読まれてきたのか―六つの解釈類型に基づいて)
総括と展望 「意識経験学」の再興と「弁証法」の完成に向けて
著者等紹介
黒崎剛[クロサキツヨシ]
1961年埼玉県に生まれる。1983年早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業。1988年早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士課程修了・文学修士(早稲田大学)。1992年早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻博士課程単位取得退学。2010年博士(文学)(早稲田大学)。現在、都留文科大学文学部社会学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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