内容説明
「私といっしょに今すぐ穂高連峰の山ふところに逃げて！」追いつめられた乙女の至純と海軍特攻（桜花）に選抜された学徒兵の煩悶。敗戦後、直ちに乙女の故郷広島に向うも、被爆死を告知される。それから三十七年、新宿駅頭で記した原爆反対署名。その署名を見て「あっ」とすくんだ女性は、まさしくかつての乙女その人。初老間近の男の戦後が一瞬に凝固、揺れ始めた―。
著者等紹介
跡見一郎［アトミイチロウ］
本名・荒木富一。略歴：大正１２年１１月２９日生。昭和２２年早稲田大学政治経済学部卒業。放送作家・フリー・ライター。早稲田ＳＯＮＹ Ｌ・Ｌ・代表。各種学校・Ｗ・Ｅセンター代表（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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