内容説明
20万人の犠牲と24年の抵抗運動で独立を達成した東ティモール。小さな民族の苦難の軌跡を描く。
目次
1章 夜明け前
2章 民族解放運動の誕生
3章 クーデターから侵略へ
4章 占領とレジスタンス
5章 サンタクルス虐殺とそのインパクト
6章 独立への道
著者等紹介
松野明久[マツノアキヒサ]
1956年熊本県生まれ。1982年東京外国語大学大学院外国語学研究科(インドネシア語)修了。現在、大阪外国語大学助教授
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感想・レビュー
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スミス市松
5
この関連の書籍を読んで初めて目頭が熱くなった。語りたいことは山ほどあるが、こうして離れた今でも私はまだ彼の国に対して正確な言葉を持ち得ていない。本書は彼の国の紛争史であり、現代史であり、大きな力に抗い続けた世界に遍在する小さき者たちの群像、きわめてポリフォニックなひとつの物語である。真の抵抗とは自分自身の態度の変更までも強いられるものなのだった。革命から統一へ。マウベリズムからティモリズムへ。その精神は多くの人を動かし、小さき者たちが拓いていった道のり自体がひとつの物語となり得ることを私たちに示している。2011/09/03
maqiso
1
1975年から2002年までの東ティモールの状況を、ポルトガルの植民地政策の転換と迷走、インドネシア国軍に対するゲリラ戦、独立派の分裂と協調、国連からの軽視とNGOからの支援、といくつかの軸で書いている。教育の遅れた地域が、隣国に左右されながらも独立に至る過程が面白い。ややフレテリンに親和的な感じはする。2019/05/20
Ahmad Todoroki
0
敬愛する松野明久さんの代表的著作。東ティモールを知る上での基本中の基本文献なので学生や研究者は必読。この続編を退職された松野さんには書いていただきたい。
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