内容説明
これまでの、上からの徳目を押し付ける価値の注入でなく、子どもが自分の行動を反省し、その行動の価値を見つめることができる、みずからの価値への「気づき」をめざす道徳教育の理論と実践を詳述。道徳の教科化に伴い、コールバーグの道徳価値発達論の批判の上に、価値の注入から価値への「気づき」への転換をはかる道徳の五段階評価の基準、あり方を提示。
目次
第1部 思考力を育む道徳教育の理論(これまでの道徳教育の授業:学習指導要領に基づく例;これまでの道徳教育を超えるテキストの開発;本書における道徳教育の方法の特長;相互理解と対話の観点から既存の道徳教材を見直す道徳教材例A(アリとキリギリス)(小学一年生)
相互の立場からの複層的配慮が「相互理解」にいたる道徳教材例B(家族か社会正義か)(高校一年生))
第2部 思考力を育む道徳教育の実践(アリとキリギリス「キリギリスさんはずるいですか」(小学一年生)
ある教室での実践例「下北半島のサル」(小学四年生)
長谷川くん「一人はみんなのためにみんなは一人のために」(小学四年生)
ライシテ:政教分離と信教の自由「国家と宗教」(中学三年生)
娘たちをおいて出稼ぎに行くべきか?それとも…「アフリカの看護師ドーマさんの苦悩」
会社か家族か 組織と個人(現代社会(一)私たちの生きる社会)「内部告発はどこまでできるか」(公民・現代社会)
あなたはパンをぬすみますか「通信制高等学校生の居場所と学習」(公民・現代社会))
著者等紹介
浅沼茂[アサヌマシゲル]
1951年東京生まれ。1986年米国ウィスコンシン大学マジソンにてカリキュラム理論でPh.D.(哲学博士)を取得。帰国後、聖路加看護大学講師・助教授、名古屋大学教育学部ならびに同大学院国際開発研究科助教授、東京学芸大学教授などを歴任し、現在立正大学特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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